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2009 年度 実績報告書

ユビキタス環境における実用的な組織間匿名認証の研究開発およびその実証検証

研究課題

研究課題/領域番号 21300004
研究機関岡山大学

研究代表者

森川 良孝  岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30033252)

研究分担者 中西 透  岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (50304332)
野上 保之  岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (60314655)
岡山 聖彦  岡山大学, 総合情報基盤センター, 助教 (20252588)
河野 圭太  岡山大学, 総合情報基盤センター, 助教 (40397899)
キーワードペアリング親和曲線 / 合成数位数曲線生成 / ツイスト / 埋め込み次数3 / グループ署名 / 属性ベース方式 / フォワードセキュア / 鍵漏洩対策
研究概要

インターット上サービスのように誰でもアクセス可能な環境では,認証技術による正規ユーザの特定,不正アクセスの防止が必要不可欠である.このような背景から,ディジタル署名を拡張したグループ署名と呼ばれる匿名認証技術が盛んに研究され実用化が目指されている.しかしグループ署名技術は,複雑で計算時間の掛かる暗号化処理が必要となり,快適な処理時間をもって実用に供するような認証システムの実現には至っていない.
本研究は,その実現に必須となるペアリングと呼ばれる写像および楕円曲線暗号の高速化を達成し,それをべースとするペアリング-グループ署名方式の効率的ユーザ失効の実現を目的としている.初年度は主として「ペアリング処理の実装および高速化技術の開発」を行い,並行して「グループ署名における鍵漏洩対策技術の検討」を行ってきた.これらの成果を以下にまとめる.
(1) ベアリング処理の実装および高速化技術
匿名認証をより高度に実現するには,大きな合成数位数のペアリング親和曲線の生成が必要不可欠であり,さらにその曲線上に効率的なペアリング計算やスカラー倍算などの実装が要求される.本研究においては埋め込み次数3のある種のペアリング曲線に着目をした.合成数位数曲線の生成は従来,埋め込み次数を1とし,曲線位数が整数変数の1次式で与えられるもの(1次位数とよぶ)に限られていたが,生成は簡便であるものの,その曲線上の各種計算実装は考慮されていなかった.そこで本研究では,埋め込み次数が3で2次位数の親和曲線に着目し,大きな合成数位数をもつように曲線を生成するアルゴリズムを新たに提案した.従来の1次位数の曲線の生成時間が数秒であるのに対し,提案アルゴリズムは数10分の生成時間が必要であることが明らかになった.しかし提案法で生成した親和曲線においては,ペアリング計算やスカラー倍算に立方ツイストという手法が適用でき,その結果認証処理に必要な処理時間が半減できる特徴がある.
(2) 属性ベース方式および鍵漏洩対策
グループ署名においては,特定のグループに所属していることだけでなく,ユーザの属性情報(性別,年齢,身分,所属チームなど)に応じて,細かなアクセス制御を行ないたい場合も多い.そこで,属性に基づいた論理関係(論理積や論理和)を,それ以上のプライバシ情報を明らかにすることなく保証するようなグループ署名(属性ベースグループ署名)方式の提案を行った.提案方式は,従来の属性ベース方式と比較して,必要なべき乗演算回数が属性数に依存せず,高速である.また,ウィルスなどによるユーザの秘密鍵漏洩の対策として,フォーワードセキュアなグループ署名方式の提案も行った.提案方式では,階層型IDベース暗号で利用されている秘密鍵更新法を用いてある一定期間ごとに秘密鍵を更新するため,秘密鍵が漏洩しても更新以前の署名の安全性が保持される.

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (9件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Forward-Secure Group Signatures From Pairings2010

    • 著者名/発表者名
      Toru Nakanishi, Yuta Hira, Nobuo Funabiki
    • 雑誌名

      Proc. Pairing2009, Lecture Notes in Computer Science 5671

      ページ: 171-186

    • 査読あり
  • [学会発表] 埋め込み次数3または4かつ合成数位数をもつ非超特異ペアリングフレンドリ曲線生成法の比較2010

    • 著者名/発表者名
      柳, 西井, 野上, 森川
    • 学会等名
      2010年暗号と情報セキュリティシンポジウム(SCIS2010)
    • 発表場所
      かがれ国際会議場(香川県)
    • 年月日
      2010-01-22
  • [学会発表] 2000-bit程度の合成数位数をもつ埋め込み次数1の非超特異ペアリングフレンドリ曲線の生成に関する実装報告2010

    • 著者名/発表者名
      出田, 野上, 森川
    • 学会等名
      2010年暗号と情報セキュリティシンポジウム(SCIS2010)
    • 発表場所
      かがれ国際会議場(香川県)
    • 年月日
      2010-01-22
  • [学会発表] 埋め込み次数1の非超特異ペアリングフレンドリ曲線上でのGLV法の適用2009

    • 著者名/発表者名
      竹内, 出田, 酒見, 西井, 野上, 森川
    • 学会等名
      電子情報通信学会情報セキュリティ研究会(ISEC)
    • 発表場所
      機械振興会館(東京都)
    • 年月日
      2009-12-16
  • [学会発表] 埋め込み次数が4かつ合成数位数の非超特異ペアリングフレンドリ曲線の生成2009

    • 著者名/発表者名
      西井, 竹内, 湯浅, 柳, 酒見, 野上, 森川
    • 学会等名
      第32回情報理論とその応用シンポジウム(SITA2009)
    • 発表場所
      ホテルかめ福(山口県)
    • 年月日
      2009-12-02
  • [学会発表] ペアリングを用いた効率的な属性ベースグループ署名方式の提案2009

    • 著者名/発表者名
      藤井, 中西, 舩曵
    • 学会等名
      電子情報通信学会情報セキュリティ研究会(ISEC)
    • 発表場所
      岐阜大学(岐阜県)
    • 年月日
      2009-11-12
  • [学会発表] 埋め込み次数1の非超特異ペアリングフレンドリ曲線を用いたTateペアリングの実装2009

    • 著者名/発表者名
      出田, 酒見, 西井, 竹内, 野上, 森川
    • 学会等名
      電子情報通信学会情報セキュリティ研究会(ISEC)
    • 発表場所
      機械振興会館(東京都)
    • 年月日
      2009-09-25
  • [学会発表] How to Generate a Secure Composite Order Ordinary Pairing-friendly Curve of Embedding Degree 32009

    • 著者名/発表者名
      Y.Nogami, K.Nishii, Y.Sakemi, H.Kato, Y.Morikawa
    • 学会等名
      ITC-CSCC2009
    • 発表場所
      済州KALホテル韓国ソウル
    • 年月日
      2009-07-08
  • [学会発表] 二つの大きな素因数を含む合成位数をもつ非超特異ペアリングフレンドリ曲線を用いたクロスツイストAteペアリングの高速化2009

    • 著者名/発表者名
      酒見, 西井, 出田, 湯浅, 野上, 森川
    • 学会等名
      電子情報通信学会情報セキュリティ研究会(ISEC)
    • 発表場所
      秋田大学手形キャンパス(秋田県)
    • 年月日
      2009-07-03
  • [学会発表] 2つの大きな素因数を含む合成数位数をもつ非超特異ペアリングフレンドリ曲線の一生成法2009

    • 著者名/発表者名
      西井, 酒見, 野上, 森川
    • 学会等名
      電子情報通信学会情報セキュリティ研究会(ISEC)
    • 発表場所
      機械振興会館(東京都)
    • 年月日
      2009-05-22
  • [備考]

    • URL

      http://kibanb.trans.cne.okayama-u.ac.jp/

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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