研究課題
交付申請書に記載した研究実施計画に沿って、アスペクト指向プログラミング(AOP)の実証面、基礎面、親展面に3面に関して以下のような研究成果の得た。(実証面)分散ソフトウェアに対するセキュリティポリシーを適用するアスペクトを記述可能にするためのAOP機構について、効率的な実行方式を提案しJava言語上の処理系AspectKE*を試作した。従来の機構では、静的と動的に検査する場合について別々にポリシーを記述しなければいけなかったが、提案手法ではそれらを統一的に記述し、効率を悪くせずに見通しを良くしている点が特徴である。中間段階の成果を、国際ワークショップの査読付論文および国際会議におけるデモとして発表し、国際会議に論文投稿中である。(基礎面)本研究開始時点でAspectJ言語の型に関する問題点を解決する新しい機構として型緩和織込を提案していたが、本年度は型緩和織込機構の詳細な規則を定め、機構を形式化しその正当性を証明し、既存のAspectJ言語処理系を改造した織込器を作成した。さらに、ここまでの研究の発展として、別に提案されていたAspectJ言語の拡張であるStrongAspectJと融合させた言語StrongRelaxAJを提案した。これらの成果は、この分野で最も水準の高い国際会議の査読付論文、国際ワークショップの査読付論文、およびオープンソースの処理系の公開といった形で公表した。(新展開)文脈指向プログラミング(COP)について、ContextJ言語による実アプリケーション記述による有用性の評価、およびその問題点を解決するJCop言語の提案を行った。COPの有用性を実証的に検討している研究は他にほとんどなく、本成果は今後のCOP研究の方向付けとなることが期待できる。これらの成果は、会議における研究発表、オープンソースの処理系の公開、論文誌および国際会議への論文投稿といった形で公表を進めている。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)
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http://www.graco.c.u-tokyo.ac.jp/ppp/