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2011 年度 実績報告書

安全な計算状態操作機構の実用化

研究課題

研究課題/領域番号 21300008
研究機関京都大学

研究代表者

八杉 昌宏  京都大学, 情報学研究所, 准教授 (30273759)

研究分担者 平石 拓  京都大学, 学術情報メディアセンター, 助教 (60528222)
キーワード計算機システム / プログラミング言語 / ソフトウェア開発効率化 / ディペンダブル・コンピューティング / ハイパフォーマンズ・コンピューティング / 性能評価 / 負荷分散
研究概要

提案している計算状態操作機構について,設計・実装面の改善およびその活用・応用に関する以下の研究を実施した.
1.計算状態操作機構の言語仕様や実装・性能モデルの拡大・改良:
コンパイラベースの実装ではGCC4系列への対応をバックエンド部を含めて進め,レジスタ割り当てを行わない場合についてのコンパイルを可能とし,最新バージョンの利用を可能とした.関連して,特にx86-64アーキテクチャの場合においてレジスタ割り当てが逆効果の場合があり元々のCコンパイラの特性を考慮する必要があったが,適正な性能評価システムを開発して分析し,再帰呼び出し点の移動の有効性について確認した.関数フレーム変換を改良した実装モデルについては翻訳ベース実装の実装技法を検討しほぼ確定した.
2.計算状態操作機構の活用・応用:
本計算状態操作機構の応用に関する研究を行った.特に並列・分散環境における応用として,動的負荷分散に関する研究を行った.計算状態操作機構を活用した動的負荷分散により,グラフ問題・多体問題などのアプリケーションにおいて並列化のコストを本質的に極小化できることを確認した.また,データ構築といった従来の動的負荷分散が困難な方式に関して空間の局所性を利用した方式の開発を行った.さらに分散環境における全体通信機構との連携について研究を進め,計算負荷と独立した通信の効果を確認した.他には,分散環境での負荷分散において,局所性と均等性を両立させる方式を開発した.その他,新しい計算状態操作機構の活用としてフォールトトレラントも同時に達成する方式について新しい着想を得て,検討を進めた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、提案している計算状態操作機構について多方面からの実用化を進め、多様化・複雑化する計算システムを効率よく簡単・安全に利用可能とすることを目的としており、方面によって遅れや計画以上の進展はあるものの、全体としてはおおむね順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

今後も、提案している計算状態操作機構について多方面からの実用化を進め、計算基盤としての確立を進める。提案機構の活用については伸ばせるところを伸ばしていく方針である.提案機構の拡大・改良という点では一部遅れがあるがマンパワーを増やして対応する。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (10件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Parallel Graph Traversals using Work-Stealing Frameworks for Many-core Platforms2012

    • 著者名/発表者名
      Masahiro Yasugi, Tasuku Hiraishi, Seiji Umatani, Taiichi Yuasa
    • 雑誌名

      Journal of Information Processing

      巻: Vol. 20, No. 1 ページ: 128-139

    • DOI

      10.2197/ipsjjip.20.128

    • 査読あり
  • [雑誌論文] バックトラックに基づく動的負荷分散フレームワークTascell2011

    • 著者名/発表者名
      平石拓, 八杉昌宏
    • 雑誌名

      京都大学学術情報メディアセンター全国共同利用版広報

      巻: Vol.10, No.1 ページ: 32-42

  • [学会発表] 高速版Barnes-Hut多体シミュレーションの並列実装2012

    • 著者名/発表者名
      松井健, 平石拓, 八杉昌宏, 馬谷誠二
    • 学会等名
      先進的計算基盤システムシンポジウム(SACSIS2012)
    • 発表場所
      神戸国際会議場(発表確定)
    • 年月日
      2012-05-18
  • [学会発表] コードシェーカ:コード配置効果を考慮した適正な性能評価システム2012

    • 著者名/発表者名
      松田友希, 八杉昌宏, 鵜川始陽
    • 学会等名
      日本ソフトウェア科学会プログラミング論研究会第14回プログラミングおよびプログラミング言語ワークショップ(PPL2012)
    • 発表場所
      和歌山県白浜市
    • 年月日
      2012-03-09
  • [学会発表] ジョブ並列スクリプト言語Xcryptの他言語対応に向けて2012

    • 著者名/発表者名
      上野優, 平石拓, 岩下武史, 中島浩
    • 学会等名
      日本ソフトウェア科学会プログラミング論研究会第14回プログラミングおよびプログラミング言語ワークショップ(PPL2012)
    • 発表場所
      和歌山県白浜市(ポスター発表)
    • 年月日
      2012-03-09
  • [学会発表] ビットレベル低水準命令列のBDDに基づく検証技法に関する考察2011

    • 著者名/発表者名
      八杉昌宏
    • 学会等名
      ディペンダブルシステムワークショップ&シンポジウム
    • 発表場所
      京都工芸繊維大学(ポスター発表)
    • 年月日
      2011-12-13
  • [学会発表] 安全な計算状態操作機構の実現と応用2011

    • 著者名/発表者名
      平石拓, 八杉昌宏
    • 学会等名
      自動チューニング研究会第3回自動チューニング技術の現状と応用に関するシンポジウム
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2011-12-05
  • [学会発表] エクサフロップス・コンピューティング実現に向けたシステム横断的課題に対する自動チューニング技術の貢献2011

    • 著者名/発表者名
      平石拓
    • 学会等名
      自動チューニング研究会第3回自動チューニング技術の現状と応用に関するシンポジウム
    • 発表場所
      東京大学(パネリスト)
    • 年月日
      2011-12-05
  • [学会発表] 自動チューニングの実行時適用性を拡大する言語機構2011

    • 著者名/発表者名
      八杉昌宏
    • 学会等名
      日本応用数理学会2011年会
    • 発表場所
      同志社大学今出川キャンパス(招待講演)
    • 年月日
      2011-09-15
  • [学会発表] ワークスティーリングフレームワークにおけるブロードキャスト機能2011

    • 著者名/発表者名
      松井健, 平石拓, 八杉昌宏, 馬谷誠二, 湯淺太一
    • 学会等名
      並列/分散/協調処理に関するサマー・ワークショップ(SWoPP2011)
    • 発表場所
      かごしま県民交流センター
    • 年月日
      2011-07-29
  • [学会発表] 分散制約充足問題のジョブ並列による求解2011

    • 著者名/発表者名
      安部達也, 平石拓, 二宅洋平, 岩下武史, 中島浩
    • 学会等名
      並列/分散/協調処理に関するサマー・ワークショップ(SWoPP2011)
    • 発表場所
      かごしま県民交流センター
    • 年月日
      2011-07-29
  • [学会発表] 並列/高信頼プログラミング言語と実装技術2011

    • 著者名/発表者名
      八杉昌宏
    • 学会等名
      東京大学コンピュータ科学専攻講演会
    • 発表場所
      東京大学(招待講演)
    • 年月日
      2011-07-21
  • [備考]

    • URL

      http://super.para.media.kyoto-u.ac.jp/tascell/

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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