研究課題/領域番号 |
21300010
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
深澤 良彰 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30120934)
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研究分担者 |
鷲崎 弘宜 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (70350494)
白銀 純子 東京女子大学, 現代文化学部, 准教授 (00329161)
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キーワード | ソフトウェア工学 / プロダクトライン開発 / オブジェクト指向 / アクセシピリティ |
研究概要 |
大規模かつシステマティックなソフトウェア部品の再利用方式として着目をされているプロダクトライン方式のソフトウェア開発に対して、いまだに明確になっていない、最適なコアアセットの表現法、明確なスコーピング手法の確立、コアアセットの選択法などについての研究を行い、その有効性を検証する。さらに、開発が完了したコアアセットの保守法に対しても、新たな方式を提案する。この評価のために実際に利用可能なプロダクトラインの構築も行なう。 本研究では、プロダクトラインの開発およびそれを利用したアプリケーションの開発における問題点を明らかにし、どのような組織においても、一定の以上の品質をしたプロダクトラインを、定められた方法論に従って構築し、利用できるようにすることを、その目的とする。本研究が一定以上の成果を収めれば、構築されたプロダクトラインを利用して、高い生産性で、高い信頼性のアプリケーションを容易に開発できるようになることが期待される。 上記に対して今年度は、以下のような研究を行った。 ・コアアセットの表現について:開発済みの評価用プロダクトラインに対して、プロトタイピング結果を整理した。 ・スコーピングについて:昨年度提案したスコーピング・メトリクスを、実アプリケーションに対して適用し、その有効性を検証した。 ・コアアセットの選択について:昨年度提案したコアアセットの候補の種類の列挙とその各種類に対するメトリクスを評価し、その結果に基づいて、改良を試みた。 ・プロダクトラインの進化について:これまでに提案してきた進化パターンおよび進化プロセスの見直しを行った。 ・障がい者支援プロダクトラインの研究・開発:これまでに開発してきた障がい者支援の整備を行うとともに、基本アーキテクチャを明確にした,
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の概要の通りであるが、本年度は、その中でコアアセット選択について重要視して研究を行った。その際、コアアセットとしては、ソフトウェア開発のライフサイクルで作成または利用されるあらゆる成果物が候補となる。これらの内で、プログラムのメトリクス、テストのメトリクスに関しては、多くの研究が行われているので、ここでは研究の対象としないこととした。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、本研究の最終年度であり、研究全体をまとめていくとともに、プロダクトラインの進化についての研究に主眼を置く。複数の事業を扱うソフトウェア開発企業は、複数のプロダクトラインを保持する。このような企業は、新規にプロダクトラインを構築しながら、既に利用中のプロダクトラインを進化させることになり、特にコアアセットの進化・改善の方針の共有が重要である。よって、企業内でコアアセットの進化・改善の手法を標準として定め、共有することが重要となる。本研究では、プロダクトライン型開発の経験に基づき、組織全体の最適化を考慮した、コアアセットの改善手法を提案していく。我々の手法では、望ましい改善のノウハウを組織の標準として定義し、同標準に基づき、コアアセットの改善計画を立案し、改善を実行する。
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