研究課題
本年度は、本研究費の最終年度であり、各種の成果をまとめて、これまで論文化していないものについては、補足実験などをして、研究の完遂に向けての努力をすすめてきた。その中で、本年度か、これまで研究が予定よりも遅れてきていた「プロダクトラインの進化について」の研究に、特に注力した。この視点は、コアアセットの使いやすさや再利用性を向上させるためには、さまざまな変化や要望に対応し、コアアセットを改善し、進化させることが重要であるからである。複数の事業を扱うソフトウェア開発企業は、複数のプロダクトラインを保持する。このような企業は、新規にプロダクトラインを構築しながら、既に利用中のプロダクトラインを進化させることになり、特にコアアセットの進化・改善の方針の共有が重要である。よって、企業内でコアアセットの進化・改善の手法を標準として定め、共有することが重要となる。本研究では、プロダクトライン型開発の経験に基づき、組織全体の最適化を考慮した、コアアセットの改善手法を提案した。我々の手法では、望ましい改善のノウハウを組織の標準として定義し、同標準に基づき、コアアセットの改善計画を立案し、改善を実行する。標準は、コアアセットの状態を計測するメトリクスと、同メトリクスによるコアアセットのタイプの定義、改善ノウハウを示した改善パターン、継続的な改善を定義したプロセスから構成することとした。改善パターンは、組織のねらいとコアアセットの状況を考慮した、コアアセットの改善方法の経験的な知識である。改善プロセスは、コアアセットの改善の手順である。組織の標準により、コアアセットの改善ノウハウを共有しても、時間の経過により、ノウハウの価値が変化する場合があるため、ノウハウそのものも継続的な改善が必要である。これを実業務に適用したところ、有効であることが判明した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Springer Plus
巻: 2:116
コンピュータ・ソフトウェア
巻: No.1 ページ: 1-8
情報処理学会論文誌
巻: Vol.54, No.2 ページ: 945-960
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