研究概要 |
1.我々は,専用の入出力キューと比べてより効率の良い構成のキューとして,スイジチファイバ遅延線(SDL)に蓋づくN対Nの共有光キューの構成に注目した.我々が考案した構成は,入力(出力)が外部の到着(出発)のために予約されるクロスバスイッチで構成され,残りの出力から残りの入力にフィードバックされるようにファイバ遅延練(FaL)が接続される.最初に,FDLの長さを適切に設定し,FDL間でパケットを適切にスケジューリングすることで,考案した構造がアイドリングなしの先入れ先出し(FIFO)共有キューとして動作することを示した.さらにこの成果を,パケットが任意時間に格納され,非FIFO順に出力されるような,より一般的な共有バッファの設計に拡張した.我々の研究は,SDLに基づくN対NのFIFOとN対Nの優先共有バッファの両方に関して,オーダsqr(NB)のFDLによりサイズBのキュー/バッファを構成するための理論的な最初の試みを報告するものである. 2,後入れ先出し(LIFO)バッファは輻輳制御とQoS保証を行う基本的なネットワーク要素である.我々は,フィードバックSDLアーキテクチャに基づいた2つの光LIFOバッファ構成を開発した.これらは,クロスバスイッチといくつかのフィードバックファイバ遅延線(FDL)で構成される.最初に,FDLに特定の長さを割り当て,適切なスケジューリングアルゴリズムを用いることにより,サイズBのLIFOバッファをおおよそ3logB本のFDLで構築可能なことを示した.さらに,新たなFDLの割り当てとスケジューリングアルゴリズムを用いることにより,このフィードバック構成がおおよそ2logB本のFDLを用いるLIFOバッファをエミュレート可能なことを示した.我々の2つのバッファ構成は大きなサイズのクロスバスイッチをもとにしているが,FDLのグループ化手法により,複数の独立した小さなサイズのスイッチで構成可能であり,よりよいスケーラビリティを提供可能なことが分かった. 3.さらに,より効率のよいSDLベースの光LILOバッファの構成を研究した.最初に,(MU)×(M+1)のクロスバスイッチとクロスバの各入出力を接続するM本のFDLからなる単一ステージのフィードバック構成により,サイズB=2×2pow(M/2)-2(Mが偶数)または(3/2)2pow((M+1)/2)-2(Mが奇数)であるLIFOバッファを構築可能であることを示した.これは,各FDL長の設定とFDL間のパケットスケジューリングを適切に行い,さらにFDLがサポート可能なパケットの同時読み込み/書き込み機能を利用することで実現されている.さらに,単一の大きなスイッチではなく,より小さなスイッチをカスケード接続することにより,上記の新たなLIFOバッファをはるかに少ない数の基本.2×2スイッチ要素で実装可能であることを示した。
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