研究課題
無線センサネットワーク(wireless sensor network:WSN)は、各センサの限られたバッテリ容量で長期間の動作を要求される。本研究では、対象とする領域に配置された各センサから基地局にマルチホップ通信でセンシングしたデータを収集するWSNを考える。このWSNは、移動能力のない通常のセンサ(静止ノード)と移動可能なセンサ(可動ノード)から構成される。本研究の目的は、このようなWSNが与えられたとき、センシング対象領域を100%カバーしつつ、できる限り長期間稼働するように、データ収集木を構築し、かつ、可動ノードの適切な移動先を決定する手法を開発することである。これまで考案してきたアルゴリズムではデータ収集木は1本であり、従って、データ収集木を構成するノードの故障に対する耐性が弱いという欠点があった。そこで、独立したデータ収集木を複数構築し、それらの木を適宜切り替え、必要最小限のノードを稼働させ、残りのノードをスリープさせることにより、高い故障耐性を持ち、かつ、長時間稼働するWSNの設計アルゴリズムの開発を行なった。さらに、より信頼性の高いWSNを実現するため、k重被覆の制約も課した場合も考察した。計算機シミュレーションにより、本州法の有効性の評価を行なった結果、スリープモードの導入により、スリープモードがない場合に比べてk重被覆維持時間が最大で約10倍延長されることが確認できた。また、独立したデータ収集木を複数構築していることから、あるノードが故障しても対象領域を常にk-1重被覆できることが保証でき、本手法が非常に高い故障耐性を持つことも確認できた。
すべて 2012 2011 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (11件) 図書 (1件) 備考 (1件)
情報処理学会論文誌
巻: 53-2 ページ: 783-794
Journal of Information Processing
巻: 52-10 ページ: 2902-2919
巻: 52-6 ページ: 1980-1992
http://ito-lab.naist.jp/themes/index.html