研究課題
本年度はグループ活動の場所を特定しない環境における見守りシステム構築のための要素技術とシステム開発について下記の通り研究を推進した。1 グループ情報を正確にかつ安全に把握するための各種要素技術:本研究では、グループ情報を効率的に収集するために、自律分散クラスタリングの自己組織化を行う手法について検討した。その結果、各クラスタ内の端末の密度や移動に対して、クラスタ内の端末の隣接情報からクラスタ状態の変化を検知し、端末の送信間隔および送信電力を適応的に変化させることで所望の特性を持つことをシミュレーション実験によって確認し、同時にノード密度、移動等の変化に対して追従性を向上できる手法を提案した。また、グループ情報などの児童の見守りに関するデータが外部に漏れることを避けるため、複数経路に沿って見守り情報を分割して転送する秘密分散法を提案した。2 グループ活動の場所を特定しない環境におけるグループ活動見守りシステム:モバイルアドホックネットワークを格子状に分割し、各格子内のノードの場所や時間におけるノードの移動と密度を変化させることができる移動モデルを提案するとともに、それを実現するためのシミュレータを開発した。また、広島市児童見守りシステムの運用において得られた登下校データを新しく提案した移動モデルに基づいたシミュレータに適用した結果、見守りサービスが有効に働くことが確認できた。本研究では、シミュレーションのみならず、Android携帯端末とメッシュネットワーク技術を用いた新世代児童見守りシステムのプロトタイプを試作した。このプロトタイプについては、2010年10月のネットワークソフトウェア研究会と2011年1月のアドホックネットワーク研究会で口頭発表とともに技術展示を行った。
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すべて 雑誌論文 (21件) (うち査読あり 20件) 学会発表 (19件) 備考 (1件)
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http://www.nsw.info.hiroshima-cu.ac.jp