研究課題
本研究では、日本と海外の記事を比較しその違いを表現することにより、ユーザに新たなニュース記事を読む寒天を与えると共に、外国からみた日本を理解するために有用な情報を提供する枠組みの構築を目的としている。そのため、国ごとの興味の違いを表すニュースサイト毎の特徴を考慮した分析や、意見分析、時系列ごとの分析などの多観点から分析を可能とする世界ニュース分析システムの構築を行った。本年度は、昨年度に行った評価実験の結果分析に基づいたシステムの評価手法に関する検討と、複数ドメインの意見文コーパスを利用した集団学習による意見分析システムの構築を行うと共に、これまでの成果を反映したシステムを用いた評価実験を行った。システムの評価手法としては、ユーザの知識を表現するコンセプトマップを利用案した検索活動の前後における知識の変化の記録とその分析という方法を提案した。本手法を用いることにより、知識の量的な評価だけではなく、知識の変化の質的な評価(例えば、幅広い観点から分析しているのか、狭い範囲を掘り下げているのか)が可能となる。本手法を用いて、本システムを有効活用したユーザの検索記録を分析したところ、一般的なWeb検索システムと比較して、NSContastを利用すると、より探索的に、広い観点からのデータを獲得している可能性を示すことができた。また、意見分析システムとしては、集団学習を用いることにより、ドメインごとの特徴を考慮しながら、意見文判定の全体のパフォーマンスを向上させることができることを確認した。最終実験のインタビューでは、昨年度と同様に、好意的な反応もあり、得られた知識についての違いなども確認された。しかし、データの前処理(機械翻訳)の性能の悪さなどが指摘され、単純な量的な比較での優位性を示すことができなかった。今後、提案した評価手法による質的な分析を行う予定である。
すべて 2012 2011
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件)
情報処理学会論文誌
巻: Vol.52 ページ: 3423-3434
Proceedings of the 4th International Workshop on Evaluating Information Access (EVIA)
ページ: 20-23
ページ: 9-13