研究課題
映像検索は、一般に映像データに付与されたメタデータを指標として行われる。大量の映像データにアクセスする今日の現状を予測し、自動で映像の意味に基づくメタデータ(セマンティックメタデータ)を付与する手法が提案され、実用に向けて大きく前進している。一方、高精度なメタデータ付与が実現されたとしても、ユーザがクエリ(質問)となるキーワードを明確に与えることができなければ、満足できる検索結果を提示することはできない。つまり、高精度なセマンティックメタデータを付与できたとしても、その検索の方式は、キーワードの提示を要求する検索形態に限定され、ユーザの曖昧な要求に応えることはできない。更に増え続けるディジタルコンテンツとユーザが望むコンテンツに効果的に辿り着くことへの要求の高まりを考える時、ユーザの曖昧な要求に応える検索環境の実現のために、上のメディアに固有の検索理論の構築が必要と考える。そこで、本研究では、理論構築に必要な一手法である、ユーザが映像や画像、音楽などをクエリとして与えた場合に、望む映像や画像、音楽を推定し、効果的に提示可能なメディア横断型検索手法を提案する。本手法により、多様なメディアのコンテンツの視聴履歴から、個人の嗜好を抽出し、異種メディア間での検索を可能とすることで曖昧なユーザの検索要求に応えるための1技術が実現される。このような研究目的の下に、本年度はユーザが映像や画像、音楽などをクエリとして与えた場合に、ユーザが望む映像や画像、音楽を推定し、効果的に提示可能な異種メディア横断型検索手法の提案の実現のために異種メディアコンテンツの距離尺度の定義をするべく、個人の視聴コンテンツの集合から抽出される物理特徴量と、コンテンツの視聴履歴から、同一メディアおよび異なるメディアの二つのコンテンツ間の距離を定義した。
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