研究課題/領域番号 |
21300030
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長谷山 美紀 北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (00218463)
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研究分担者 |
小川 貴弘 北海道大学, 情報科学研究科, 助教 (20524028)
荒木 健治 北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (50202742)
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キーワード | 映像データ処理 / 映像検索 / メタデータ付与 / メディア横断 / 個人嗜好 / 音楽信号処理 / 映像意味理解 / テキスト処理 |
研究概要 |
研究の全体構想は、画像および映像、音楽メディアに固有のユーザの曖昧な要求に応える検索を実現する理論構築にあり、本研究は、その理論構築に必要な一手法である、ユーザが映像や画像、音楽などをクエリとして与えた場合に、ユーザが望む映像や画像、音楽を 推定し、効果的に提示可能な異種メディア横断型検索手法の提案にある。その実現のために、画像、映像、音楽の3つのメディアに検索対象を絞り、次の3つのステップにより手法の構築を目指している。 ① 異種メディアコンテンツの距離尺度の定義 ② 個人の嗜好を表現可能なモデルの実現 ③ 嗜好モデルの類似性の可視化システムの実現 昨年度は、上に記した②を実現した。具体的には、メディア数と分析対象となるコンテンツ数から正準相関分析を行い得られた相関行列を用いることで、ユーザが保持するコンテンツの全体に対して、各々の相違度を算出し、相関行列を算出する際に、ユーザの視聴履歴による重みを導入することで、映像の好みを表現した。既知の特徴から得られた相関行列により、ユーザにとって未知のコンテンツに対して、特徴量を推定する手法を実現した。今年度は、昨年度実現したモデルを用いて、研究を上記③『嗜好モデルの類似性の可視化システムの実現』に進めた。具体的には、異なるユーザの嗜好モデルの類似性を可視化のために、インターネットにおけるネットワークモデル利用について検討した。リンク解析手法による嗜好モデルの類似性の可視化のために、各ユーザが同一のコンテンツを好む場合に、各々のユーザは同一のコミュニティに属するものとする。また、各々のコンテンツに対応するネットワークを各ユーザ間のリンク関係を表す隣接行列を用いて定義した。隣接行列にリンク解析手法を施すことにより、ユーザの好みに類似した嗜好を持つ重要なユーザの抽出が可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成23年度は、平成22度に実現したモデルを用いて、上記研究実績概要記載の③『嗜好モデルの類似性の可視化システムの実現』へ研究を進めたが、当初の実験期間として予定していた期間内で行った実験では不充分だったため、追加で実験を行ったことにより、予定より4ヶ月の遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に遅れが生じた分を平成24年度に取り戻し、ユーザ嗜好モデルの類似性の可視化システムの実現を目指す。
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