研究分担者 |
高橋 成雄 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (40292619)
吉田 典正 日本大学, 生産工学部, 准教授 (70277846)
小俣 昌樹 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (60402088)
豊浦 正広 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (80550780)
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研究概要 |
22年度は21年度に続き,生体情報を用いて各種レンダリングパラメータが人間に与える影響を推定する方法を確立するための実験を行った。21年度は色について現在よく利用されているVDT環境における背景と前景の色の組み合わせがユーザに対する身体・心理的影響を生体情報から推定する実験を行った。22年度はまず21年度に得られた結果を論文にまとめ,国内の色彩関連会議で発表を行った.会議で得られた意見を踏まえ,色に加えコントラストも要因として考慮し追加実験を行い,色の組み合わせとコントラストによる身体・心理的影響を生体情報により動的にモニタリングする方法を確立した.レンダリングについては情動マルチモーダルレンダリングの実現に向けて五感刺激と生体情報との関係を検証する実験を行った.実験の結果,五感刺激と脈波・呼吸・皮膚伝導率との間には,刺激の種類によって変化しやすい生体情報と変化しにくい生体情報があることがわかり,五感刺激の種類の違いに応じてアウェアネスを検出できる可能性があることがわかった.また,ユーザの生体信号に連動して色の明度と彩度が変化するお絵描きツールを開発した.顔の筋電位から得られる感情価と手の皮膚伝導から得られる覚せい度に応じて色を変化させるため,描いているときの感情を絵に反映させることができるツールとなっている.一方分担者の高橋は恣意的条件下における注視点誘導を引き続き行ったと同時,奥行き手がかりがオブジェクトの大きさに与える影響が,オブジェクトと奥行き手がかりの配置にどれだけ依存するかを,心理物理学実験を通して調べた.その結果,オブジェクトと奥行き手がかり間の距離に依存して影響が変化するが,その変化は線形の式では表現できない複雑なものであることがわかった.
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