| 研究概要 |
ソーシャルメディアはブログやソーシャルネットワークサービス(SNS),wikiに代表される共同編集型コンテンツなどがあり,いずれも大量の情報が蓄積され,重要な情報基盤となりつつある.Twitterに代表される実時間ソーシャルメディアでは,出来事の時間経過を通じて多数の利用者が体験や雰囲気を共有できる特性がある.まずサッカーのワールドカップで記録されたTwitterの書き込みを分析し,試合の盛り上がりやゴールなどの特徴的イベントに伴って現れる書き込みから容易に判別できる特徴を求め,これから利用者全体の盛り上がりをチームの支持率として数値化し,実時間で提示する方法について開発し,試合の状況によく一致して支持率が変化する結果が得られた.また,Wikipediaに代表される共同編集型コンテンツについて,複数の筆者が1つの記事を作成する過程において,筆者間の協調行動が記事の品質に与える影響について分析を行った.Wikipediaの記事の編集履歴を分析することにより,筆者が意見の対立するグループに分割されているかや,編集が友好的に行われているかを定量化する.そして,優秀として推薦されている記事群とそうでない記事群それぞれとの相関を学習することにより,与えられた記事の編集履歴からその記事の品質を推定する方法を開発した.従来の編集回数等による品質の指標に加え,提案手法の指標を加えることにより,記事の品質の推定精度が向上することを示した.
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