研究概要 |
研究目的: 検索エンジンは各種活動に必要不可欠な存在であるが,ランキングや検索結果数の信頼性については不明瞭な部分が多い.本研究ではこうした信頼性を明かにし,安心してインターネットを利用できる環境を提供することを目指す. 研究項目: 平成22年度は下記項目において研究を進めた. (1)Web検索の信頼性評価,(2)画像検索の信頼性評価,(3)海外研究者との連携 研究成果: (1)では,検索エンジンのヒット数の信頼性に対する評価を行うための指標を,過去の検索エンジンの検索結果数の推移を元に定義し,信頼性を保証する手法を提案した.実験の結果,複数クエリに対するヒット数の大小関係は2日以上安定している場合に高い信頼度をもつことが判明し,これにより評価が可能となった. (2)では,画像検索の信頼性評価に必要となる画像分析に関する基礎技術の研究開発を行った.具体的には,テンプレートマッチングを用いた類似物体検出,及び,画像分類を行う上での学習方法について検討し,最終年度に向けて要素技術の構築を行った. (3)では,検索結果数の挙動解析を行っているニュージャージー工科大学のGuller教授を訪問し,シンポジウム(NJIT側20名出席)を通して意見交換を行った.結果,本研究成果をNJITでの研究において応用が検討されることとなった.また,震災により延期となったトルコ・メルキッシュ大学のUyar准教授(検索結果数分析の第一人者)訪問では,5月に意見交換を行った.その結果,新たな知見として検索結果内の重複,ステミング,複合語検索の問題などこれまで本学内で行っていただけでは分からない貴重な情報を入手でき,本研究でも活用することとなった.
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