研究分担者 |
米澤 朋子 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 知能ロボティクス研究所, 研究員 (90395161)
田村 俊世 千葉大学, 工学研究科, 教授 (10142259)
山添 大丈 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 知能ロボティクス研究所, 研究員 (70418523)
内海 章 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 知能ロボティクス研究所, 主任研究員 (80395152)
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研究概要 |
記憶障害者や認知症者の意欲創出や注意誘導を可能とする行動支援メディアを実現するため,23年度は認知症者の注意誘導技術について,擬人化エージェントと人との視線コミュニケーションを用いた手法を提案しその効果を検証した.若年者と高齢者で,音声や文字の言語的な指示,矢印による図形的な指示,そして擬人化エージェントによる視線コミュニケーションを用いた指示を比較し,親しみやすさや分かり易さなど幾つかの項目で視線コミュニケーションの優位な傾向を確認した.また指示に対する反応時間は特に高齢者において視線コミュニケーションが優位であった.次に意欲創出技術について,擬人化エージェントとの視線コミュニケーションが与えられたタスクへの取り組みに影響を与えるかを,若年者,高齢者で比較したが,タスクの成績や主観評価で明確な差異がみられなかった.これについては視線コミュニケーションを活用するタイミング,対象となるタスクの設定の問題などの指摘があり,実験デザインを見直す,また同様の目的で没入感ゲームがタスクに対する動機付けやタスクの成績に与える影響を検討した.これについては現在若年者のみでの結果ではあるが,ゲームへの没入感がタスクの成績や動機付けに対して正の相関を持つことが明らかになった.最後に研究協力先のfMRI装置を用い,上記で効果が確認された注意誘導に関して試験的な脳活動イメージングを実施した.その結果,言語的指示および図形的指示の場合と擬人化エージェントの視線コミュニケーションを用いた場合で,脳の賦活部位が明らかに異なることが確認された.意欲創出に関しても視線コミュニケーション,没入感ゲームなどを脳活動イメージングの画像刺激に落とし込み,早々に賦活部位の確認とその解釈を行い有効性を明らかにする
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