研究課題
利用者の身振りを超音波により検知し、その意図を汲み取るようなユーザーインターフェース開発にかかる研究である。利用者に向けて超音波を照射し、その反射波を多数の超音波センサー(センサーアレイ)で検出し、デジタル信号処理で画像化することで、対象の像を得、またその動き抽出を行う。初年度において、反射超音波の画像化基礎手法を開発し、また動き検出機能をもつ画像化手法の研究を行った。両者は下記のような具体的成果となった。1) 超音波の画像化は光学的手法で使用される光にくらべ波長が長く、また波長帯域も狭いので、鮮明な像を得るのが困難である。その難点を克服するため、利用可能な周波数帯域で最も効率のよい波形合成法を研究した。マルチキャリア波を使用する手法を着想し、試験したのち、論文発表した。2) 対象の動き検出にはドップラーシフトを使用した画像化技術が必要である。医療画像処理ではそのような手法が実際用いられているが、本研究のような空間超音波に適用可能なものではない。そこで上記のマルチキャリア波使用を前提とした、新しいドップラーシフト画像化アルゴリズムを開発した。この成果は現在論文投稿中である。関連する技術開発にもとづき、2件の特許申請を行った。以上の信号処理に必要なハードウェア機材(センサーアレイ、信号処理ボード)は市販製品を使用できないため、研究グループで設計、製作した。
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電子通信学会論文誌(英文)
巻: E92-A(6) ページ: 1408-1416
電子情報通信学会論文誌
巻: A, 基礎・境界92(8) ページ: 559-570
巻: A, 基礎・境界92(12) ページ: 953-963