研究概要 |
本課題の目的は,病院情報システム内に分散的に蓄積された医療行為の時系列的記録から,各疾患の診療過程に関する時系列的パターンあるいは時系列モデリングを抽出し,診療行為の工程管理(クリティカルパス)を支援するための基盤的技術を研究,さらに病院情報システムへの実装し,手法を評価を行うことにある。本年度は,基幹系情報システムから解析に必要なデータを抽出するシステムを整えるとともに,時系列マイニングの方法を開発し,蓄積されたデータの一部を用いて,予備的実験を開始した。 具体的には,平成19年度5月より診療に関するすべてのデータおよびユーザ履歴に関わるデータ蓄積が可能となった本大学医学部附属病院の病院情報システム(基幹系)をデータ抽出の基盤とし,蓄積されたデータとそのデータに関わる背景的情報となりうる診療記録診療行為を適切な粒度で時系列データの形で抽出するデータウェアハウスシステムを年度前半に開発した。このシステムを本年度設置されたデータウェアハウスサーバに実装し,開発をさらに進めて,平成21年10月よりデータの蓄積を開始している。(担当:津本,連携研究者:花田)。一方,時系列変化を軌跡としてとらえる高次元軌跡マイニング,時系列文字情報から新規出現過程の検出を行うテキストマイニング手法の開発,蓄積されたデータの一部を用いて,予備的に時系列マイニング技術の適用を試み(担当:平野,阿部),得られたパターンの評価を進める(担当:津本)。
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