研究課題/領域番号 |
21300057
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
北村 泰彦 関西学院大学, 理工学部, 教授 (00204917)
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研究分担者 |
角所 考 関西学院大学, 理工学部, 教授 (50263322)
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キーワード | 説得エージェント / マルチモーダル / マルチエージェント |
研究概要 |
本年度はマルチモーダル説得エージェント開発のための要素技術である言語的/非言語的説得技術とそれを応用するためのプラットフォーム開発に関して取り組んだ. 1.言語的説得技術:擬人化エージェントによる言語的説得では説得的な対話能力が重要である.これまではWizard of Oz法に基づく説得対話エージェントを開発し,それに基づく対話モデルの構築を行ってきた.エージェントの言語的説得能力を向上させるためには説明手順を記述した戦略が重要である.本年度は重要な説得項目を最初に説明する初頭効果と最後に説明する親近効果を比較し,利用者の説得対象に対する興味に応じて効果がどのように変化するかを評価した. 2.非言語的説得技術:Webシステム上で動作する説得エージェントにおけるインタラクション手法としては文字対話が一般的である.これまで,非言語情報を表現できる文字対話システムの要素技術としてメッセージを一文字一文字表示する話速可変表示機能を開発した.本年度は,話速可変表示機能をタイピングソフトに組み込み,話速可変の有無,利用者との同調の有無に応じてタイピングソフトの印象がどのように変化するのか評価を行った. 3.プラットフォーム開発:説得技術を応用するプラットフォームに関してはデジタルカメラの購入を説得するショッピングサイトを開発した.本システムでは,ユーザの興味と説得する商品の属性の違いを分析した後,初頭効果と親近効果を用いて説得を行うことができる.さらに災害時における説得技術や異文化間での説得技術などの課題に関しても検討を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
説得エージェントの要素技術に関して,言語的説得,非言語的説得,マルチエージェント説得,フィードバック機能のそれぞれの分野において,当初の計画通りに研究が進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
要素技術に関する研究をより具体化し実践的なものとするために,次年度以降は具体的な応用領域を定め,その上での評価と改善を続ける予定である.具体的な応用領域としては,健康分野であるウォーキング支援を想定しており,利用者のウォーキング継続を鼓舞するための説得エージェントを開発する予定である.
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