研究分担者 |
田中 弘美 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (10268154)
田中 覚 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (60251980)
佐藤 嘉伸 大阪大学, 医学部, 教授 (70243219)
古川 顕 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (80199421)
森川 茂廣 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60220042)
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研究概要 |
研究の初年度の平成21年度においては,医用データベースの整備及び先行研究で開発した一般化N次元主成分分析法(GND-PCA)を用いた統計ボリュームモデリング法の確立に重点を置いて研究を行ってきた.主に以下の研究成果が得られた. 【成果1:テキスチャを含めた臓器の統計ボリュームモデリングの確立】 これまで臓器の3次元統計形状モデルがほぼ確立されているが,診断支援するためには,形状だけではなく濃度値(テキスチャ)の統計解析とモデリングが必要である.一方,医用ボリュームデータは次元数が大きいため,従来の主成分分析法を用いて構築した統計モデルには,汎化能力がなく,診断支援には適していない.本研究では,新しいテンソルベース多次元主成分分析法(GND-PCA)を提案し,MR脳画像や胸部CT画像に適用し世界初めて少数サンプルからボリュームデータをモデリングできろことを示した.本成果は,著名な学術誌Neuraocomputingの2009年5月号に掲載された(雑誌発表論文リスト1). 【成果2:ランドマークを用いない3次元形状の正規化法の確立】 統計形状モデリングにおいて,サンプル間の正規化(表面点の対応付け)は重要である.一方,臓器の場合,ランドマークとなる特徴点があまり存在していないため,サンプル間の正規化(表面点の対応付け)は極めて困難である.本研究では,肝臓の3次元形状を球面調和関数で近似し,各基底関数同士の軸をあわすことによって正確な正規化ができる手法を開発した.その成果は2009年9月に開催される国際学会IIHMSP2009にて発表した(学会発表論文リスト1). 【成果3:Low-Contrast CT画像におけろ肝臓の分割法の確立】 肝臓疾患の診断と治療にはCT画像からの肝臓分割が重要である.肝臓の形状や濃度値に様々なバリエーションがあるため,未だに肝臓の自動分割法は確立されていない.本研究では,クラスタリングと先験情報を用いたLow-Contrast CT画像における肝臓の分割法を提案し,様々なデータベースを用いてその有効性を示した.その成果は2009年9月に開催される国際学会IIHMSP2009にて発表した(学会発表論文リスト2).
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