研究分担者 |
田中 弘美 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (10268154)
田中 覚 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (60251980)
佐藤 嘉伸 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70243219)
古川 顕 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (80199421)
森川 茂廣 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60220042)
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研究概要 |
研究の2年目の平成22年度においては,医用画像データベースの整備と同時に,1年目で開発した一般化N次元PCA法を肝臓に適用し,肝臓の濃度値(テキスチャ)のバリエーションを表現できる肝臓統計テキスチャモデルをはじめて構築した。主に以下の研究成果が得られた 【成果1:肝硬変などの肝疾患を含む肝臓CTボリュームデータベース】 本研究の主な目的は,臓器の統計モデリングであり,学習に使用する臓器ボリュームデータベースの構築が必要である.初年度に引き続き,CT腹部データを収集し,画像処理技術と手導で肝臓のセグメンテーションを行った.その結果,現在100症例以上の肝硬変などの肝臓疾患を含む肝臓ボリュームデータベースを構築した.肝臓の統計モデリングに必要なデータをそろった 【成果2:FFDによる肝臓の形状正規化法の開発】 肝臓ボリュームのパリエーションには,形状バリエーションと濃度値(テキスチャ)のパリエーションが混在する臓器表面の点をサンプリングすることにより,形状のみのパリエーションが比較的容易に表現できるが,テキスチャのみのパリエーションを表現するためには,形状のパリエーションを取り除く必要がある.本研究では,FFD (Free-Form Deformation)モデルを用いた三次元形状正規化法を開発し,前処理として各肝臓ボリュームデータの形状正規化を行った 【成果3:肝臓の統計テキスチャモデルの作成と肝臓疾患診断支援への応用】 正常データと肝疾患(異常)データを用いて肝臓の統計テキスチャモデルを構築した.成果2で述べたように各肝臓ボリュームデータの形状を正規化し,初年度で開発したGND-PCAを用いて肝臓の濃度値(テキスチャ)のみのパリエーションを表現でき統計テキスチャモデルを構築した.腫瘍などの肝臓疾患がある場合,テキスチャのバリエーションが正常に比べ大きくなり,それらの成分を特定することにより,正常肝臓と異常肝臓との識別が可能であることを示した.肝臓疾患診断支援の可能性を示した
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