研究課題/領域番号 |
21300070
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
陳 延偉 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (60236841)
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研究分担者 |
田中 弘美 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (10268154)
田中 覚 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (60251980)
佐藤 嘉伸 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70243219)
古川 顕 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (80199421)
森川 茂廣 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60220042)
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キーワード | 一般化N次元主成分分析 / 統計ボリュームモデル / 統計テキスチャモデル / 成分選択 / CT / 肝臓 / 機械学習 / 計算機支援診断 |
研究概要 |
研究の3年目の平成23年においては、一般化N次元主成分分析(GND-PCA)を用いた臓器の濃度値(テキスチャ)の統計モデリング(統計テキスチャモデリング)のフレームワークを提案し、肝臓の統計テキスチャモデルを始めて構築した。また、統計ボリュームモデル(統計テキスチャモデルと統計形状モデル)が肝臓疾患の診断に有効であることを示した。さらに、一般化N次元主成分分析を理論的に発展させ、新たな線形テンソル符号化(LTC : Linear Tensor Coding)法を提案した。具体的な成果を以下に示す。 【成果1:GND-PCAを用いた臓器のテキスチャモデリング法】 各臓器のバリエーションには、形状バリエーションと濃度(テキスチャ)バリエーションがある。濃度(テキスチャ)バリエーションを求めるためには、症例間の形状バリエーションを除去する必要がある。本研究では、GND-PCAと3次元形状正規化法の併用に統計テキスチャモデリング法を確立した。3次元形状正規化法として、FFD(Free Form Deformation)による非剛体ボリューム変形法を開発し、各症例肝臓を平均肝臓ボリュームに変形し、形状の正規化を行った後、GND-PCAによるテキスチャのみの統計モデリングを行う。正規化法を用いない場合に比べて、正確にテキスチャのバリエーションを記述することができた。また、従来の主成分分析に比べ、小数のサンプルからも汎化能力のある統計モデルを構築できた。 【成果2:肝臓疾患診断への応用】 本研究で構築した肝臓の統計ボリュームモデル(統計テキスチャモデルと統計形状モデル)を用いて肝臓疾患の診断に応用し、その有効性を示した。統計テキスチャモデルは腫瘍などの疾患に有効であり、統計形状モデルは肝硬変などの疾患診断に有効であることがわかった。 【成果3:新たな線形テンソル符号化法の提案】 GND-PCAをさらに拡張し、新たな線形テンソル符号化(LTC : Linear Tensor Coding)法を提案した。LTC法において、ボリュームデータはいくつかのテンソル基底の線形和として表される。それらの基底がある特定の疾患を表す基底となるので、基底の係数はそれらの特定疾患の尺度として用いることができる。
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