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2009 年度 実績報告書

ロボットの能動知覚に基づく物体挙動予測モデルと道具使用

研究課題

研究課題/領域番号 21300076
研究機関京都大学

研究代表者

尾形 哲也  京都大学, 情報学研究科, 准教授 (00318768)

キーワード能動知覚 / アフォダンス / 神経力学モデル / 予測可能性 / 道具身体化
研究概要

平成21年度は,本課題が最終的な目標としている道具使用について,基礎評価実験を行った.具体的には,本課題が着目している道具身体化の基礎モデルを構築し,その評価を行った.
本年度の課題は,(1)ロボット身体のモデル化,(2)使用道具に合わせた身体モデルの変換,の点である.ここで,身体モデルとは視覚,動作などに関する順逆モデルをさす.これらの課題に対して,以下のようにアプローチした.(1)ロボットの身体モデルを神経力学系モデルにより学習,(2)ロボットが道具使用している際,この拡張された身体を,道具を把持していない基本身体モデル,を変換・拡張した"道具身体化モデル"として表現する.具体的には,基本身体モデルを表現する神経力学モデルを変調する変換モジュールを付与し,これを多種の道具毎に学習させる.本モデルを用いることで,ロボットは把持している道具の認識を行い,それを用いた動作の生成が可能になる.
ロボットの身体モデルを,時系列データを学習可能な,Multiple Timescale Recurrent Neural Network (MTRNN)に学習させた.また変換モジュールとしてParametric Bias (PB)を入力に持つ階層型人工神経回路モデルを用いた.この変換モジュールの出力値を,MTRNNの結合重みとする(二次変換)ことで基本身体モデルを拡張した道具身体化モデルを実現した.利用道具ごとにPB値を変更して学習させ,PB空間上に道具特徴を表現させた.ロボットは道具を利用する際,最初に"試し振り(能動知覚)"を実行することでPB値を同定する.
基礎実験としてヒューマノイドロボットHRP-2を利用し,単純な形状の道具を用いて卓上複数物体を移動させるタスクを設定した.HRP-2は道具未使用時,およびT字型及びL字型の棒状物体を手に装着した状態で,複数の移動動作を学習する.実験の結果,本モデルを利用することで既知の道具だけでなく未知の道具(I字型道具)を利用した際でも,物体挙動の予測が可能となることを確認した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Modeling Tool-Body Assimilation using Second-order Recurrent Neural Network2009

    • 著者名/発表者名
      S.Nishide, T.Nakagawa, T.Ogata, J.Tani, T.Takahashi, H.G.Okuno
    • 雑誌名

      IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS-2009)

      ページ: 5376-5381

    • 査読あり
  • [学会発表] MTRNNによる環境音の予測識別2009

    • 著者名/発表者名
      張陽, 尾形哲也, 高橋徹, 駒谷和範, 奥乃博
    • 学会等名
      計測自動制御学会第10回システムインテグレーション部門講演会 (SI2009)
    • 発表場所
      芝浦工業大学
    • 年月日
      2009-12-24
  • [学会発表] 二次リカレントニューラルネットワークを用いた道具身体化モデルの構築2009

    • 著者名/発表者名
      西出俊, 中川達裕, 尾形哲也, 谷淳,高橋徹, 奥乃博
    • 学会等名
      日本ロボット学会第27回学術講演会
    • 発表場所
      横浜国立大学
    • 年月日
      2009-09-16
  • [学会発表] 声道物理モデルの母音列繰り返し模倣による音素獲得シミュレーション (基調講演)2009

    • 著者名/発表者名
      尾形哲也, 神田尚, 高橋徹, 駒谷和範, 奥乃博
    • 学会等名
      日本ロボット学会第27回学術講演会
    • 発表場所
      横浜国立大学
    • 年月日
      2009-09-14

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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