研究課題/領域番号 |
21300077
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
向井 利春 独立行政法人理化学研究所, ロボット感覚情報研究チーム, チームリーダー (80281632)
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研究分担者 |
中島 弘道 独立行政法人理化学研究所, ロボット感覚情報研究チーム, 基幹研究所研究員 (30360605)
吉田 守夫 独立行政法人理化学研究所, ロボット制御研究チーム, 基幹研究所研究員 (20455372)
平野 慎也 独立行政法人理化学研究所, ロボット制御研究チーム, 基幹研究所研究員 (60443016)
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キーワード | 介護支援ロボット / 移乗介助 / 全身マニピュレーション / 触覚センサ |
研究概要 |
日本の少子高齢化に伴う介護者不足の問題をロボティクスで解決するために、介護の中でも特に身体的負担の大きい移乗介助を行えるロボットの研究を行っている。移乗を完全自律で行わせるのは危険なので、常に介助者がロボットを伴い、介助者が状況認識および行動の判断に責任を持ち、判断をロボットに伝え、ロボットは身体的に負担の大きい部分を担当するという人間とロボットの協調作業を考えている。本年度、「テーマ1:触覚によるロボット操作」では、これまでは半導体圧力センサをベースにした触覚センサを使っていたが、柔軟性などで限界があったので、新たにゴムをベースにした静電容量タイプの柔軟面状触覚センサの開発を行った。現在、30%程度まで伸長可能な16x16素子のセンサが実現できている。「テーマ2:移乗時の触覚フィードバック」では、ロボット表面の多くの部分で被介護者と接触しながら、被介護者の皮膚に負担を与えないように接触状態を保ちながら操作を行う全身接触マニピュレーションの方法を開発した。「テーマ3:人を対象とした移乗」では、実際に我々の製作したロボットRIBAを用いて、人間を対象にした移乗実験を開始した。ただし、現在は、研究倫理委員会の決定に基づき成人健常者のみを対象としている。実験では、抱き上げられる際に被介護者の負担がどの程度あり、さらに、ロボットの抱き上げ姿勢を調節することでどの程度負担が変化するかを調べている。データとしては、ロボットと被介護者の姿勢・接触位置、ロボットの触覚センサ出力、被介護者の筋電出力、アンケート結果などを取得している。現在8名まで実験を終了した段階であり、最終的には10名以上のデータをとる予定である。
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