研究課題
申請者らは、本研究により、眼の動きによる感情表現が可能なロボットを作成し、これらを用いて家庭環境において人間と音声と眼球動作表情による「さりげないコミュニケーション」を図ることのできるマスコットロボットシステムを開発してきている。この感情表現により効果的な情報提示が可能となったが、そのことによりユーザの認知はどの点がどの程度向上したのか、そして特定の認知側面を向上させるような感情設計はどのように設計すべきであるか、複数ロボットと複数人間が感性的な情報交換をいかに行うかという課題が残っていた。本年度は、これらの課題を体系的に扱うには、コミュニケーションにおける感性と認知との相互作用について、その非線形性やあいまいさを考慮して取り扱い、つまり、ロボットによる感性表現と、それによる人間であるユーザの認知への影響を、計算知能における数学的手法を駆使して解析した。この研究の意義は、日本が世界を凌駕する3つの技術、すなわちロボット、感性、そして計算知能を融合させて、世界に先駆けた感性表現ロボットの技術を完成させることである。本研究では、平成22年度には、被験者を用いた大掛かりな実験を行い、感性と認知との相互作用のデータを取得した。このデータは将来的実用化への基礎データとする。その成果としては、3本の原著論文を国内国際雑誌に投稿、17本の国際会議論文を発表している。平成23年度には感性を客観的にかつ定量的に計測する技術を開発し、計算知能の方法論を活用して、この関係を人間の非線形性やあいまいさを考慮してモデル化する予定である。
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Jounal of Advanced Computational Intelligence and Intelligent Informatics
巻: 15 ページ: 41-54
日本感性工学会論文誌
巻: 10 ページ: 11-21
J.Of Advanced Computational Intelligence and Intelligent Informatics
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