研究課題
申請者らは、本研究により、眼の動きによる感情表現が可能なロボットを作成し、これらを用いて家庭環境において人間と音声と眼球動作表情による「さりげないコミュニケーション」を図ることのできるマスコットロボットシステムを開発してきている。この感情表現により効果的な情報提示が可能となったが、そのことによりユーザの認知はどの点がどの程度向上したのか、そして特定の認知側面を向上させるような感情設計はどのように設計すべきであるか、複数ロボットと複数人間が感性的な情報交換をいかに行うかという課題が残っていた。本年度は、これらの課題を体系的に扱うには、コミュニケーションにおける感性と認知との相互作用について、その非線形性やあいまいさを考慮して取り扱い、つまり、ロボットによる感性表現と、それによる人間であるユーザの認知への影響を、計算知能における数学的手法を駆使して解析した。この研究の意義は、日本が世界を凌駕する3つの技術、すなわちロボット、感性、そして計算知能を融合させて、世界に先駆けた感性表現ロボットの技術を完成させることである。本研究では、今年度平成23年度において、感性を客観的にかつ定量的に計測する技術を開発し、上記相互作用を計算知能によりモデル化している。さらに物理量をもとに感性の「量」として測る手法も開発している。その成果として、6本の原著論文を国内外の雑誌に発表、14本の国際会議論文を発表している。そして、前年度までの解析手法を完成させるとともに、理論の一般化を計っている。さらに、ロボットと人間、製品と人間とを結ぶ感性的認知インタフェースとして、多くの環境に適用が可能なモデルを示している。
1: 当初の計画以上に進展している
感性表現の定量化手法を開発し、最終年度平成24年度に予定していた、デモンストレーションビデオのトライアル版まで、作成することが出来た。
4年計画の最終年度、平成24年度においては、複数のロボットと複数の人間が、さりげないコミュニケーションを行うことが出来るプロトタイプシナリオとして、5台の眼球ロボットと4人の人間がホームパーティを楽しむというストーリィのもとで、デモンストレーションビデオを完成し、各種学会、論文誌、HPなどで公開し、成果をアピールする。
すべて 2012 2011
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (15件)
J.of Advanced Computational Intelligence and Intelligent Informatics
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J.of Computers, Communications & Control
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