研究課題/領域番号 |
21300092
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
阪口 豊 電気通信大学, 大学院情報システム学研究科, 教授 (40205737)
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研究分担者 |
宇野 洋二 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10203572)
池田 思朗 統計数理研究所, 数理・推論研究系, 准教授 (30336101)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 運動メカニズム / 全身動作 / 協調構造 / シナジー / スパース表現 / 先読み / 障碍者補助 / 起立動作 |
研究概要 |
ヒトの身体パーツの動きに含まれる協調構造を解析・抽出し,それを利用して障碍者等の動作補助を行なう方式を開発することを目的として以下の研究を行った. 昨年度に引き続き,本研究において構築した非拘束身体運動計測システム(身体17か所に設置した3次元姿勢センサのデータを統合し全身運動を解析するもの)を用いて身体運動データを解析した.通常動作の解析については当初予定どおりの成果をあげたが,長時間計測に基づく日常動作データベース構築については,姿勢センサの特性が原因で安定的計測が困難で十分な成果があげられなかった. 身体動作の協調構造を抽出しヒトの動作を先読みする方式については以下の成果を得た.立位から左右に踏み出す動作および立位から目標に向けて手を伸ばす動作において,主動作を担う脚部あるいは腕部の動きに先立って他の身体部分がある関係性の下で動くことを抽出し,その情報をもとに動作の目標およびタイミングを予測することに成功した.この成果は,ヒトの動作に先んじて補助器具を作動させる基盤となる. 下肢麻痺患者のための装着型歩行補助ロボットにおいて,車椅子からの起立動作を補助するセンサ制御系を開発した.具体的には,健常者の起立動作を計測して,足裏および歩行器の床反力と身体姿勢のデータに基づいて下肢の運動開始タイミングを検出できることを明らかにした.この結果に基づき,ユーザの意図するタイミングとスピードで立ち上がりを補助する制御システムを構成し,起立動作試験により安定な動作が実現されることを確認した. このほか,身体運動表現に関する数理的検討として,スパース表現に着目し,運動信号処理のための基礎理論と最適化手法に関して研究した.運動系の情報処理は,環境から情報を受け取る感覚系とは異なる「能動的な情報処理」で,基底の選び方という基本的問題に難しさがあり,その突破に向けてはさらなる検討を要する.
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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