本課題の目的は、利用者端末側の操作ログ、詳細な利用者認知実験データ、サーバ側の検索ログなど、詳細さと量が異なる利用者行動記録を収集し、相互に関連付けて分析することにより、検索過程における利用者の認知過程と行動をより深く、より広く理解し、モデル化することである。平成22年度は以下について研究した。 (1)Concept Mapを用いて、探索の前後における利用者の知識構造の変化を調べる 我々が提案した、Concept Mapを用いて利用者の探索の前後における知識構造の変化によって、探索過程と探索の効果を図る手法をさらに精緻化するために、タスクとの親和性やタスクのタイプ、調査の展開の過程か収束の過程かなどによる差異に着目して研究を進めた。また、Concept Mapによる分析を精緻化するために、Concept Mapを書く順序とその過程についてビデオで記録をし、詳細に分析をした。分析は進行中である。 (2)端末側ログ収集:本課題で提案する分析手法に必要な詳細なデータを取得するため、ロギングシステムの改良を進め、ブラウザイベントと我々の定義する行動カテゴリとの整合性を高めた。 (3)サーバ側ログの分析:LogCLEF Workshop 2010に参加し、参加者に提供される共通のサーバ側ログデータセットを用いて、Link Depthを応用し、利用者の探索過程という観点から分析を行った。
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