1、詳細な認知実験 被験者の探索過程と探索効果を計るため、音楽情報検索を取り上げ、50名の実験参加者による検索実験、視線計測、操作ログ、Focus Group Interviewを組み合わせ、実験を行い、ユーザインタフェースの効果、ユーザ指向評価とシステム指向評価との相関について分析した。 2、探索の効果の測定・分析手法の精緻化 探索的検索によって利用者がどのようなことを学び、その結果、知識の構造がどのように変化したかを調べる手法の精緻化を図った。昨年度に続いて、Concept Mapを用いた手法の精緻化を進め、1)ユーザの属性やタスクが探索の効果に及ぼす影響、2)Mapにおける中心ノードからの距離、複雑さ・リンクの密度・広がりなどの形状を示す新たな指標を提案し、モ分析を行った。 3、端末側ログ収集 申請者らが開発した端末側検索ログ収集ツールを用いて、実験協力者から、利用者端末側の検索ログを収集し、これまでの、探索過程に関する分析から導き出された仮説の検討を進めるとともに、探索時間、タスクとの関係について、分析をすすめた。 4、探索過程の可視化 ユーザが閲覧したページの内容を自己組織化マップを用いて分析し、各ユーザの探索過程を可視化する手法を提案し、プロトタイプシステムによって、19名のユーザの探索過程を可視化し、個々の探索の特性把握、協調検索支援ユーザインタフェースへの応用可能性について予備的証左を得た。
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