研究課題
研究代表者は、多産多死社会から少産少死社会への移行過程を説明する人口転換理論と移動革命論を再検討するために、古文書史料をデータベースに蓄積・分析する「江戸時代における人口分析システム(DANJURO)」の開発を進めている。本研究では、DANJUROに蓄積されている古文書史料をもとに、人口構造の分布と人口移動を地図表示して、時空間解析を行う「近代移行期における人口分布解析システム」を構築する。本年度は、①「近代移行期における人口分布解析システム」の試作、②人口史料データの拡充、③国際会議における研究成果の報告と論文執筆を行なった。第一に、人口・家族構造に関する指標を村・西暦ごとに地図表示するシステムを試作した。第二に、相模国淘綾郡二宮村、山西村、一色村に位置する4カ寺が保存している史料を写真撮影して、DANJUROを構成する「過去帳」古文書画像データベースに追加した。現在のところ、「過去帳」古文書画像データベースには、武蔵国多摩郡、相模国大住郡・淘綾郡、美作国真庭郡、備後国御調郡に位置する21カ寺、約4万8千人分の被葬者情報が登録されている。第三に、DANJUROから得られた種痘導入期の天然痘による死亡構造の変化に関する分析結果を、The 9th European Social Science History ConferenceとThe 15th International Conference for Historical Geographersで報告した。本システムを含む日本におけるHistorical GISの研究動向について、The First International Conference of Asian Network for GIS-based Historical Studiesで報告して、E-Journalに投稿した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Japanese Journal of Human Geography
巻: Vol.65. No.1 ページ: pp.1-28
関西f大学アジア文化研究センター・ディスカッションペーパー
巻: Vol.3 ページ: 73-84頁
International Conference of Historical Geographers, Book of Abstracts
巻: XV ページ: pp.161-162
http://kawaguchi.tezukayama-u.ac.jp