研究課題
平成21年度は、主にデジタル項目の選定と、その検討に時間を費やした。まず、計画書にもあるように本健診プログラムは、従来より発達検査で用いられている対面項目と、われわれのグループを中心に知覚認知実験により開発されたデジタル項目に分けられている。このデジタル項目をまずはできうる限り多数リストアップし、研究分担者である藤井先生の帝京大学医学部小児科、大久保先生の香川大学医学部小児科、ならびに研究協力者である久留米大学医学部小児科、獨協医科大学越谷病院子どもの心診療センター、の各サイトにおいて、各項目が医療現場に適した手続きとなっているかを、以下の点に留意しながら検討し、各項目の選定を行っていった。まず、ノイジーな環境においても、ロバストな乳児の選好を引き出せうるかどうか、使いやすくわかりやすい手続きのプログラムであるかどうか、乳児の選好が、ぱっとみた観察において、判断できるほど強いものであるかどうか、などの点である。特に最後の注意点は、実験室内においては、おおよそ60%以上の選好注視を引き出す項目であることが求められた。こうして項目の選定が行われ、最終的には、1)再注視課題、2)色と運動の統合能力、3)運動透明視、4)顔認知、5)声と顔の統合能力、の5つの項目が有望な項目として選定されることとなった。これらの項目をベースに、今後、その項目が発達障害児の発見にどの程度貢献するものであるかを、ハイリスクな乳児を対象に項目を実施することで、検討していく予定である。
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Developmental Science
巻: 12(6) ページ: 946-955
Perception
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Child Development
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