研究課題/領域番号 |
21300106
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
小西 貞則 中央大学, 理工学部, 教授 (40090550)
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研究分担者 |
前園 宜彦 九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 教授 (30173701)
西井 龍映 九州大学, 学内共同利用施設等, 教授 (40127684)
酒折 文武 中央大学, 理工学部, 准教授 (90386475)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 非線形モデリング / スパース回帰 / ベイズ型予測分布モデル / 時空間現象解析 / カーネル型推定量 / モデル評価基準 |
研究概要 |
現在,諸科学・産業界では,日々大規模かつ高次元のデータの獲得と蓄積を促進しつつある.観測された高次元データ集合の中から有益な情報やパターンを高効率に抽出し,現象解明と予測・制御に不可欠な複雑現象のモデリングの理論・方法論の研究に取り組んでおり,昨年度までの研究実績を踏まえてこれをさらに発展させて,平成24年度は以下のような研究成果を挙げた. 1.超高次元データ解析に一つの方向性を提示し,国際的に研究が進展しつつある L1 正則化法に基づくスパースモデリングに取り組み,正則化項の制約の程度を制御する正則化パラメータの選択に本質的なモデル評価基準の解析的導出と計算機上で実行するためのモデル評価アルゴリズムを提唱した.さらに,ロバスト損失関数にL1タイプの正則化項を付与した正則化推定法に基づく回帰モデルの推定と評価アルゴリズムを提唱した.これによって,従来,未解決であった異常値を探索・検出するパラメータとモデルを制御するパラメータをデータから推定することが可能となった. 2.自己回帰項を持つ非線形回帰モデルの母数推定に一般化情報量規準 GIC に基づく方法やlasso を用いた推定法を提案し, シミュレーションデータで有効に機能することを確認した. 3.制約のある説明変数を用いた多項式回帰モデルにおいて, 逐次的に実験点を追加して高精度のモデル推定を行う手法を提案した.この結果,車体設計の実験回数を大幅に減少させた. 4.カーネル型確率点推定量に関するエッジワース展開を求め,その有効性を示した.さらにカーネル型確率密度関数推定量の高次のエッジワース展開を具体的な形で求めることに成功した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
高次元データ集合の中から有益な情報やパターンを抽出するためのモデリングの研究を推進し,モデルの推定と評価に対して解析的,数値的両側面から取り組み,実用的かつ効率的な計算アルゴリズムの提唱と解析手法を提唱することができた. 具体的には,超高次元データに基づく様々な L1 型正則化モデリングに取り組み,正則化項の制約の程度を制御する正則化パラメータの選択に本質的なモデル評価基準の解析的導出と計算機上で実行するためのモデル評価アルゴリズムを提唱できた. この研究成果をさらに展開して,高次元空間に点在する異常値の検出とスパースモデリングを目的として,HuberのM-推定などのロバスト損失関数にL1タイプの正則化項を付与した正則化推定法に基づく回帰モデリング手法を提唱した.これによって,従来,未解決であった異常値を探索・検出するパラメータとモデルを制御するパラメータをデータから推定することが可能となった. これらの研究成果は国際会議で発表するとともに,国際的なジャーナルに掲載できた.
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今後の研究の推進方策 |
システム工学,医用工学,生命科学など科学のさまざまな分野では,個体あるいは対象を特徴付けるデータは極めて次元が高く,現象解明と情報抽出に有効に機能するデータ解析手法,モデリングの開発研究に対して,発想を新たにした理論・方法論が必要となってきた.このため,データ数に比して次元の高いデータ集合に基づいて真の確率構造とモデルを分離して推測理論を展開して新たなモデリングの提唱を目指すとともに,スパース正則化法の理論研究を推進する.また,解析的,代数的アプローチに計算アルゴリズムを融合させた方法で取り組み,実用的かつ効率的なスパースモデリング手法の開発研究を推進する.特に,適用上有効なブートストラップ計算アルゴリズムに基づく方法,様々な事前情報をモデルに取り組むベイズアプローチによる非線形回帰予測分布モデルの構成法,モデルの推定法と評価法,関連する推測論の理論研究,開発手法の諸分野への適用研究を推進する. 開発したモデリング手法のプログラム化と計算機上への実装を行い,生命科学におけるゲノムデータ,システム工学,医用工学における現象過程や動作過程の高次元データ,経時的に観測測定された医学・疫学・生物科学データなどの解析に取り組む.
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