研究課題
研究代表者らのこれまでの研究から、αCaMKIIヘテロノックアウト(HKO)マウスは、顕著な行動学的・心理学的異常を示し、脳の海馬歯状回のほとんどの神経細胞が未成熟なままであることがわかっている。そこで、マウスの脳の「どの部位」の、「どの時期」のαCaMKIIの低下が一連の異常行動を引き起こすのか、を検討することを目的として、「部位特異的」あるいは「時期特異的」なαCaMKII欠損マウスを作製するかけあわせを開始した。本年度、新潟大・崎村建司教授からαCaMKII floxedマウスの分与を受けたが、このマウスはC57BL/6Nの遺伝的背景なので、近交系マウスC57BL/6Jの系統に戻し交配をする必要があり、現在Creマウスと掛け合わせをしつつ、戻し交配を進めている。マウスの遺伝的背景の違いは行動表現型に影響するので、各種のCreマウスについて、入手後、戻し交配の必要な系統については、αCaMKII floxedマウスと同様に、C57BL/6Jマウスで戻し交配を進めている。これまでに、海馬歯状回特異的Cre発現マウス、前脳特異的Cre発現マウス、海馬CA3特異的Cre発現マウスを入手し、戻し交配を進めた。実験用マウスをつくる交配では、CaMKII floxedマウスと歯状回特異的Cre発現マウスとの交配を手始めとして開始した。その交配のためには、各系統50-100ケージの飼育スペースを必要とし、必要数のマウスを得るのに数世代(半年から1年程度)かかるので、繁殖のピークが重ならないように交配を計画し、飼育スペースを確保しながら繁殖を進めている。本年度はそのための飼育ラックを新たに購入した。
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