研究課題/領域番号 |
21300125
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
伊藤 功 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20183741)
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研究分担者 |
渡辺 茂 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (30051907)
坂田 省吾 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (50153888)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 脳の左右差 / 海馬 / 神経回路 / NMDA受容体 / 行動解析 |
研究概要 |
MHCクラスI(MHCI)の構成因子であるβ2マイクログロブリン(β2m)をノックアウトしたマウス(β2mKOマウス)を用いた解析を行い、β2mKOマウスの海馬では海馬神経回路の非対称性が完全に失われている事が明らかになった。この事実は、海馬神経回路の非対称性形成にMHCIが関与している可能性を強く示唆するとともに、免疫系タンパク質の中枢神経系における新たな非免疫的機能を示すものである。これ等の結果はすでに国内外の学会において報告し、高い評価を受けるとともに現在論文を投稿中である(担当、伊藤)。また、β2mKOマウスの空間認知をタッチスクリーンのついたオペラント実験装置で検討した。その結果、左右の位置の弁別自体は野生型マウスとほぼ同様に学習できるが、位置の遅延非見本合わせでは全く学習が出来なかった。このノックアウトマウスは視力、明度弁別とも障害がないので、空間情報の短期的保持に特化した障害を持つと考えられる(担当、渡辺)。さらに、坂田等はマウス海馬θ波の解析を開始した。無拘束状態のマウスから安定にθ波を計測する測定系の技術確立するとともに、行動課題遂行中の海馬θ波をivマウスと野生型マウスで比較した。解析は現在進行中であるが、これによってこれまで手つかずであった、脳の非対称性に関するネットワークレベルの解析が可能になった(担当、坂田)。また伊藤等は海馬の非対称性形成におけるMHCIの受容体を明らかにする目的でPirBのノックアウトマウスを用いた解析を行い、β2mKOマウスと同様の結果が得られた。すなわち、MHCI-PirB系が海馬の非対称性形成に関与している可能性がが強く示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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