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2010 年度 実績報告書

大規模空間の認知地図形成と移動の制御に係わる頭頂葉機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21300126
研究機関日本大学

研究代表者

泰羅 雅登  日本大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50179397)

キーワードニホンザル / 頭頂葉内側面 / 海馬傍回 / 場所ニューロン / 風景情報 / 運動情報
研究概要

これまでの研究で、頭頂葉内側領域(7m野、脳梁膨大後部、帯状回後部)のニューロン群が広い空間のナビゲーションに関連しており、場所情報と運動情報の組み合わせる、ナビゲーションのモデルにおける道順知識のリストの要素に相当することが明らかになってきた。一方、この領域のニューロンの中には、バーチャル空間内の特定の場所で活動するいわゆる場所ニューロンが見つかっている。この場所ニューロンはこれまで海馬、海馬傍回で多く見つかり、これらの領域が地誌的情報を扱うことの実証とされていた。また、頭頂葉内側領域への場所情報は海馬、海馬傍回からの入力によるのではないかと考えられる。本年度は、広い空間内のナビゲーションにおいて、頭頂葉内側領域と海馬傍回との間にどのような機能的差異が存在するのかを調べることを目的として、同じ課題を用いて両方の領域から単一ニューロン活動を記録し、その性質を調べ比較した。その結果、海馬傍回ニューロンの多くは課題の最初の目的地の呈示時期に目的地に対する選択性を示しながら活動した。また、その様なニューロンの割合は頭頂葉内側領域に比べ有意に多かった。一方、頭頂葉内側領域のニューロンは運動中に運動方向に対して選択的に活動するものが海馬傍回に比べて有意に多かった。ポピュレーションヒストグラムを作り活動の時間経過による変化を比べたところ、頭頂葉内側領域のニューロンは移動開始の直前から移動中にかけて活動が増加するのに対して、海馬傍回のニューロンは移動が停止する直前から停止中に活動していた。この結果は海馬傍回のニューロンは主として風景情報(場所情報)を処理しているのに対して、頭頂葉内側領域のニューロンは運動情報の選択に係わる可能性を示唆する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Perception of object motion in three-dimensional space induced by cast shadows2011

    • 著者名/発表者名
      Katsuyama N, Usui N, Nose I, Taira M
    • 雑誌名

      Neuroimage

      巻: 54 ページ: 485-489

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Amyloid Beta(A)Protein-and Amyloid Precursor Protein(APP)-lm munoreactive Structures in the Brains of Aged Tree Shrews.2010

    • 著者名/発表者名
      Yamasluta A, Fuchs E, TairaM, Hayashi M.
    • 雑誌名

      Curr Aging Sci.

      巻: 3 ページ: 230-238

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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