研究課題
脳老化による加齢性記憶障害は有害な分子の蓄積による不可逆的な機能障害と考えられている。一方我々はショウジョウバエの記憶中枢の一つであるキノコ体でPKA活性が低下した変異体DCO/+では加齢性記憶障害の発現が顕著に抑制されることを見出している。そこでPKA活性の蓄積により加齢性記憶障害が起こるのか?さらに加齢性記憶障害は不可逆的な機能障害か否かを明らかにするため、遺伝学的操作により時期特異的にキノコ体でのPKA活性を制御し、加齢性記憶障害に対する影響を調べた。具体的には加齢期間中のPKA活性を低下させて老齢期にPKA活性を正常にした場合、逆に加齢期間中のPKA活性は正常だが、老齢期にPKA活性を下げた場合で加齢性記憶障害を測った。その結果、加齢期間中のPKA活性が正常でも老齢期に急性にPKA活性を低下させれば加齢性記憶障害は改善され、逆に加齢期間中PKA活性を下げていても老齢期にPKA活性が正常となれば加齢性記憶障害となることが分かった。これらの結果から老齢期でのPKA活性が加齢性記憶障害の原因となっていることが分かった。
すべて 2010 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (8件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
メディカルバイオ
巻: 7 ページ: 24-29
月刊臨床医学
巻: 12 ページ: 1375-1379
J Neurosci.
巻: 30 ページ: 15573-15577
J Neurosci
巻: 30 ページ: 14091-14101
Hirosaki Med J
巻: 61 ページ: S26-S33
http://tmin.ac.jp/Mol_Therapeut/index.html