研究課題
基盤研究(B)
加齢による学習記憶力の低下(加齢性記憶障害)は脳老化の重要な表現型である。前回我々はPKA抑制変異体では加齢性記憶障害が特異的に抑制されることを利用して、加齢性記憶障害と相関するタンパクの動態をプロテオミクス解析により調べ、ショウジョウバエPyruvate Carboxylase(PC)の相同タンパクdPCレベルの加齢による上昇が加齢性記憶障害と高い相関を持つことを見出した。今回、生化学的解析と遺伝学的解析を併せて行い、グリアでのPC活性上昇が加齢性記憶障害を引き起こすことを明らかにした。また脳老化の重要なリスクファクターである酸化ストレスと加齢性記憶障害との関係を調べ、酸化ストレスとは独立した加齢性記憶障害の発生機構が存在することを見出した。そこでdPCレベルが酸化ストレスによるものか?逆にdPCレベルの上昇が酸化ストレスを発生するか調べたところ、いずれも起こらなかった。これらの結果からdPC依存性のAMI経路は従来の酸化ストレスによる経路とは異なる新規経路であることが示唆された。
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