研究課題/領域番号 |
21300155
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
椎名 隆 東海大学, 医学部, 准教授 (00317744)
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研究分担者 |
安藤 麻子 東海大学, 医学部, 准教授 (40101935)
鳥居 隆三 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 教授 (50106647)
小笠原 一誠 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20169163)
細道 一善 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系・人類遺伝研究部門, 助教 (50420948)
太田 正穂 信州大学, 医学部, 准教授 (50115333)
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キーワード | カニクイザル / MHC / 再生医療 / 多型 / 薬剤感受性 |
研究概要 |
最終年度である平成23年度では、これまでに培ってきたMHCタイピング技術を駆使して、約800頭におけるカニクイザルMHC(Mafa)遺伝子の多型解析、次世代シークエンサーを用いたDNAタイピング技術の開発および発現プロファイリングの3項目を実施した。まずフィリピン産112個体におけるMHCクラスII遺伝子の多型解析をおこなった結果、13種類、13種類、9種類、10種類、8種類および8種類のMafa-DRA,-DRB,-DQA1,-DQBl,-DPA1および--DPB1アリルがそれぞれ同定され、それらのうち18種類は新規アリルであった。これらアリルの組み合わせから42種類のMafaクラスIIハプロタイプが推定され、とりわけMafa-DRA^*01-DRB1^*01-DQB1^*01ハプロタイプ頻度は32.6%であり、他のハプロタイプ頻度よりも圧倒的に高い値を示した。一方、MafaクラスI遺伝子の多型解析をおこなった結果、13種類のMafa-A1アリルが同定され、それらのうち、1種類は新規アリルであった。また3種類のアリル、すなわちMafa-A1^*01、-A1^*02および-A1^*03は、10%以上の高いアリル頻度を有した。さらに次世代シークエンサーを用いてMafa-B遺伝子の多型解析をおこなった結果、44種類のMafa-Bアリルが同定され、それらのうち、17種類は新規アリルであった。また、これらアリルの組み合わせから13種類のMafa-Bハプロタイプが推定され、とりわけB1ハプロタイプ(Mafa-B^*01-B^*01^B^*03)の頻度は23.6%であり、他のハプロタイプ頻度よりも高い値を示した。以上の結果から、MafaクラスII遺伝子をMafa-DRA^*01-DRB1^*01-DQB1^*01ハプロタイプを有し、MafaクラスI遺伝子をB1ハプロタイプならびにMafa-A1^*0l、-A1^*02、-A1^*03のいずれかを有する個体は高頻度でフィリピン集団に存在することを明らかにした。その後、1222頭における上記のMafaアリルを有する個体をスクリーニングした結果、Mafa全遺伝子ホモ接合体28頭およびMafa全遺伝子ヘテロ接合体43頭の計71頭を特定した。
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