研究課題
特定分子の蛋白発現制御に基づく産生巨核球数の増多目標に掲げた課題のうち、当該年度においては重点的に血小板産生可能である巨核球細胞株の樹立を目指した。血小板前駆細胞である巨核球レベルで細胞分裂による細胞数増加をもたらす遺伝子プロファイリングをヒトES細胞由来造血前駆細胞集団を用いて解析した。解析の結果から複数の候補遺伝子を選定した。この一部の遺伝子に関しては既にヒトES細胞由来造血前駆細胞および巨核球前駆細胞集団を単離することでレトロウイルスを使用して強制発現させることで、10^4レベルの前駆細胞が60日以上の長期培養期間に亘って、最終的に巨核球の特異的な細胞表面分子を発現しながら10^<10>レベルまで細胞数を増加させられる遺伝子および培養法を同定した。次年度は遺伝子のon-off制御を行う事で血小板産生まで制御可能かの検証を行う。新規のshear stress刺激に伴う血小板産生装置の開発とその検証;どのように1個の巨核球から数多くの血小板を産生させられるか?多倍体化した巨核球であるほど1個の巨核球が放出産生できる血小板数が上昇する事が知られており、研究の標的として骨髄由来巨核球の成熟を促進する為のmediatorを検索した。さらにこれらのうち、shear stress刺激下で血管内皮細胞、骨髄間葉系細胞などから産生されるmediatorに焦点を当てた結果、ploidy亢進に働く因子をピックアップした。次年度はこれらが、iPS細胞由来の巨核球でのploidy亢進に作用するかを検証していく。
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