研究課題
本研究は経頭蓋磁気刺激や経頭蓋電気刺激を用いて脳神経の興奮特性を引き出し、それにより脳波の情報を読み取るリアルタイムBCI (Brain Computer interface)を目指している。まず、経頭蓋磁気刺激時の神経興奮特性の変化を調べるため、経頭蓋磁気刺激を与えた運動野に与えた際のアルファ帯域成分脳波、デルタ波のパワーの刺激前後の変化を調べた。その結果、デルタ波に関しては大きな変化が見られなかったが、アルファ波においてパワーの現象がみられた。このことは、反復経頭蓋磁気刺激が神経の興奮特性を変化させることを示唆するものである。また、1~2ミリアンペアの弱い直流経頭蓋電気刺激を運動野に与えた際の体性感覚誘発電位およびその高周波成分であるHFOの刺激前後の変化を調べた結果、その影響は電気刺激のアノード刺激とカソード刺激で反転することがわかった。すなわち、神経興奮特性を変化させる経頭蓋磁気刺激、あるいは経頭蓋電気刺激をBCIとうまく組み合わせることにより効率のよいBCIの実現が可能である。さらに、被験者に対する非拘束計測を実現するため、無線脳波計測および無線近赤外計測を用いて脳情報を計測するシステムを構築した。このシステムを用いて、意識がほとんどない重度心身障害児に対して、脳波と近赤外計測を用いて、呼びかけを行ったときの反応の計測を行った。その結果、名前を呼んだときや音楽を聴いたときに、聴覚野での酸素化ヘモグロビンの増加を観測することができ、意識レベルが非常に低い患者の認知状態をモニタリングすることが可能であることを示すことができた。
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