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2009 年度 実績報告書

水素発生源として水素貯蔵合金を使った新規ピンポイント癌治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21300170
研究機関長崎大学

研究代表者

香川 明男  長崎大学, 長崎大学・生産科学研究科, 教授 (00093401)

研究分担者 田川 泰  長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (20206907)
キーワード水素貯蔵合金 / パラジウム / ニッケル / 正常細胞 / 癌細胞 / スーパーオキシド
研究概要

本年度はPd-Ni水素吸蔵合金の組成および形状が、合金の水素放出挙動および生体細胞への効果に及ぼす影響について調べた。直径35mmのディッシュ内で培養した正常細胞(MDCK:腎上皮細胞)及び癌細胞(HeLa:子宮頸癌細胞)の上に、水素を吸蔵させた円筒および角筒合金試料を配置し、24時間経過後にトリパンブルーで染色して細胞の死滅状況を観察した結果、全ての形状において合金試料内部で死滅効果が確認された。試料外側の死滅範囲は、半径を2倍にしたもので約2mm、体積を2倍にしたものでは約2mm、四角筒では約1.7mmであった。半径2倍の試料において、試料外側に比べ試料内側の死滅距離が広い理由としては、内側が閉じた領域になっているため放出された水素が効率良く作用したものと考えられる。体積2倍の試料では標準試料と比べて差異はほとんどみられなかった。四角筒試料の外側の死滅範囲はやや四角形の形状を示していたが角の部分における特出した効果は観察されず、ほぼ円筒状試料と変わらない死滅範囲であった。また、高ニッケル組成にすると正常細胞に対しても影響を及ぼすことがわかった。これより最適な組成はPd-5at%Niであると考えられる。一方、癌死滅機構に関しては、水素貯蔵合金から発生する水素が培養液中の酸素と反応し、反応生成物(スーパーオキシドの一種)が細胞の死滅に関与するという仮説をもとに、癌死滅機構の酵素トレーサ実験を行い、死滅細胞からのみ特有のスーパーオキサイドが発生していることを試薬により検出した。この点については今後さらに上述の仮説の裏付け実験が必要であり、現時点では、癌死滅機構を解明するまでの論文等での公表は差し控えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 水素吸蔵合金からの放出水素が生体細胞に及ぼす影響2009

    • 著者名/発表者名
      梅木宣明, 水本将之, 大貝猛, 香川明男
    • 学会等名
      日本金属学会秋期(第145回)大会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2009-09-15

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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