研究課題/領域番号 |
21300173
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
小西 聡 立命館大学, 理工学部, 教授 (50288627)
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研究分担者 |
森本 賢一 立命館大学, 理工学部, 助教 (90435777)
小林 大造 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, ポストドクトラルフェロー (20557433)
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キーワード | 再生医療移植技術 / マイクロマシン / S3マイクロマシン / 細胞シート / バルーンアクチュエータ |
研究概要 |
本研究では、再生医療移植技術支援のためのマイクロマシン基盤技術の確立を目標に、特に移植支援技術として移植デバイスに着目し、その基盤技術となるマイクロバルーンアクチュエータを基本とするS3マイクロマシンの設計開発技術の確立に取り組んでいる。 本年度は全三フェーズのうち、第二フェーズに移行し、FS(試験研究)の結果をもとに眼球内への細胞シート移植技術へ対応すべく、研究中の設計開発手法の適用、の研究内容をリンクさせながら研究を進めた。第二フェーズでは、再生医療分野からの要求仕様の中でも難度が高い眼球内への細胞シート移植技術課題について主たるターゲットとし、体内(眼球内)への挿入時に小さく収納し、内部で形状をもどすことによる低侵襲性の実現に本格的に取り組んだ。ターゲットとする再生医療技術である眼球内への細胞シート移植技術では、移植のためのマイクロマシンツールの収納時サイズのダウンサイジングが強く求められており、PBAの設計支援が不可欠である。特に重点的に進めている設計開発基盤技術の確立研究では、移植デバイスの基本原理として最有力のPDMS材料製のマイクロバルーンアクチュエータ(PBA)について、基本構造を取り上げ、固体力学に基づいた数値解析技術に対する検討と実デバイスの試行評価実験を有機的にリンクさせる研究を推進した。現在までに、PDMS材料の物性値計測システムを構築するとともに、実デバイスの物性を考慮したアクチュエータ変形動作のFEM解析を行っている。今までのところ、微小変形領域での挙動について解析結果と実験結果の整合がみられており、設計指針の決定材料として活かしたいと考えている。数値解析手法としてメッシュフリー法を採用し、幾何学的非線形を伴う大変形動作にも対応した解析技術の構築の検討を開始しており、さらに展開予定である。これらの成果については、国際会議での論文採択(2件発表済、1件採択済)に至っている。
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