研究分担者 |
長田 健介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任講師 (10396947)
緒方 徹 国立障害者リハビリテーションセンター研究所, 運動機能系障害研究部, 部長 (00392192)
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40282660)
片岡 一則 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00130245)
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研究概要 |
本年度は筋ターゲットデリバリーに向けて条件検討したナノミセル型遺伝子キャリアを用いて,マウス疾患モデルを用いた実験,および安全面を含めた詳細な機能解析を行った. 1.坐骨神経損傷モデル:神経冷却損傷モデルを作成し,麻痺側の筋へIGF-1遺伝子のナノミセルのハイドロダイナミクス投与を行った.マイクロCTによる筋体積計測により,コントロールと比べ筋萎縮からの早期回復が観察された.さらに運動機能の定量的解析(sciatic nerve index)により,麻痺の回復に伴う運動機能の早期改善が観察された.現在筋組織中での筋萎縮防止に働く分子メカニズムの検討を行っている.さらに糖尿病モデルマウスを用いた実験を始めている. 2.筋からのタンパク徐放評価:血液サンプルからの発現タンパク高感度検出を可能とする分泌型ルシフェラーゼ遺伝子を導入した.筋からの血中へのタンパク徐放が確認され,キャリア条件や反復投与による発現挙動を検討中である.またco-transfectionにより,疾患モデルでの治療効果と遺伝子発現プロファイルとの相関を評価する系として応用する. 3.コンドロイチン硫酸添加系の検討:生体外マトリックスの主成分であるコンドロイチン硫酸は天然のアニオンであり,ナノミセルに混合することにより,組織傷害や起炎症性をさらに減少させることを見出した.筋へのハイドロダイナミクス投与後は,コンドロイチン硫酸添加によりCPKなど逸脱酵素の血中濃度減少,発現の持続化が確認された.
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