研究課題
本年度は研究計画に挙げた4つの項目のうち、(1)統合的脳アトラスの構築、および要素技術の開発、および(2)統合的脳アトラスに基づき、画像に含まれる疾患構造に対して頑健な自動抽出法の開発について研究を行った。特に、アトラス構築、アトラス応用による脳構造の抽出の最重要基盤技術である非剛体のレジストレーションについて、既存の手法を用いた各種パッケージソフトウェアを利用し、その問題点を明確にするとともに、物品として購入したGPU(Graphical Processing Unit)による高速計算モジュールを搭載したワークステーションにて、自由形状変形、動径基底関数によるボリュームデータの変形など、非剛体のレジストレーションに必要な要素技術に対して自分で開発した様々なプログラムを移植し、その高速化効果を確認した。また、アトラスを構築するための以下の2点を行った。まず、脳白質線維の抽出に関して、確率的線維追跡法について、対象を錐体路および脳梁通過線維に適用し、撮影パラメタが抽出結果に与える影響を調査した。同時に、様々な白質線維を描出するのに必要な高方位拡散MRI(HARDI)イメージングについて、撮影時間を短縮するために撮影対象を限定して拡散係数の計測方向を削減する実験的手法を開発し、その効果を確認した。また、症例データを効率よく収集、データベース化し、統計アトラスを構築するための基盤システムについても整備を行い、病院施設において稼働可能であることを確認した。
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Japanese journal of radiology 28
ページ: 27-33