研究概要 |
1,椎間板変性に関連したものとしてはほぼ計画通りに椎間板変性モデルを作製/確立することが可能であり、このモデルがこれまでの動物モデルと比較してもより臨床に近い妥当なモデルであることが多方面から証明できた。さらに遺伝子発現の網羅的解析を行い、一部は蛋白レベルでも確認を行って論文として投稿し、先日アクセプトされた(別紙参)。さらに別のデータを用いて論文の準備中である。 2,椎間板の免疫特権と宿主免疫応答関連としてはin vitro実験として椎間板細胞株に対してFasL遺伝子を導入し、過剰発現を試みた。遺伝子導入により細胞が死んでしまうため、技術的な改良を要したが、ようやくmRNAレベル、蛋白レベルで過剰発現が確認できるようになった。In vivo研究として椎間板ヘルニアモデルは確立できたが、FasLに対するin vivoでの遺伝子発現抑制に関しては安定した結果が得られておらず、現在FasLノックアウトラットの使用を検討中である。 3,椎間板変性と腰部脊柱管狭窄症の関係については立位と座位の腰椎側面レントゲンと脊髄造影を比較検討することで、症状の発現しない座位においては腰椎の相対的な前屈位になっていることが確認され、それに伴って硬膜管径が大きく増大することが確認された。棘突起間スペーサー使用の科学的根拠となり得るデータが得られた。 4,棘突起スペーサーの前臨床試験についてはスペーサーを樹脂製に変更し、大幅なデザインの改良を行った。これを用いてブタを用いた学外での基礎実験を行い現在も進行中である。また、これまでのデータをまとめて論文を執筆中である。
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