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2010 年度 実績報告書

生体透過光による指尖血液流動性検査の開発と臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 21300193
研究機関自治医科大学

研究代表者

谷口 信行  自治医科大学, 医学部, 教授 (10245053)

研究分担者 小谷 和彦  自治医科大学, 医学部, 講師 (60335510)
山越 芳樹  群馬大学, 工学研究科, 教授 (10174640)
鯉渕 晴美  自治医科大学, 医学部, 助教 (20382848)
松永 宏明  自治医科大学, 医学部, 助教 (40569969)
宮本 倫聡  自治医科大学, 医学部, 研究員 (90458323)
キーワード動脈硬化 / 血管系検査 / 血液流動性 / 非侵襲的検査 / 検査診断学
研究概要

動脈硬化性疾患の診断と治療に関する一層の発展は求められている.動脈硬化と関連する血管病態は細動脈あるいは毛細血管にも存在する.本研究課題では,特に毛細血管に焦点を当て,その定量的かつ簡易で低侵襲性の評価法ならびにこれを具現化した検査装置の開発とその臨床的意義の確立を試みることを目的にしている.昨年度に引き続き,ヒトの指尖を加圧し,発光ダイオード(LED光)を用いて血管内ヘモグロビンの量(指尖流動性)を検査する装置評価装置(指尖加圧型センサー付き生体透過光照射器)の開発(改良)を進めた.本年度は,指尖部の測定位置を固定するためのセンサー機能の強化,ならびに心拍同期用回路を組み込む工夫を行った,これらによって,指尖流動性の計測精度はより高まり,同時に,工学的モデルによる新規パラメータの作成も可能になってきた.次いで,臨床的な活用を目指して,平行して臨床的検討も行った.高血圧症または前高血圧症として受診した対象集団(88例,男性57%,平均年齢68歳)を得て,同装置を用いてvelocity pressure index(VPI)を測定し,一般的な臨床指標との関連について調査した.対象者の上腕で測定した収縮期血圧値は平均で143(標準偏差18)mmHg,また拡張期血圧値は平均で75(標準偏差8)mmHgであった.指先のVPIは平均で0.23(標準偏差0.18)であった.相関解析を行ったところ,収縮期血圧とVPIとの相関は弱かったが,拡張期血圧とVPIとは有意に正相関(係数0.546,p<0.01)し,この相関は多変量解析で他の変数を補正しても依然として有意なままであった,これは,高血圧の発症に対する,末梢血管と比較的中枢の血管の相互関係を示唆する知見であり得る.今後,さらに,装置の改良ならびに基礎的データを積み重ね,指尖血液流動性検査の臨床的意義を確立していく予定である.

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公開日: 2012-07-19  

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