研究課題/領域番号 |
21300195
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
菊池 恒男 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 科長 (90356866)
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研究分担者 |
内田 武吉 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究員 (70455434)
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キーワード | 標準 / 強力水中超音波 / キャビテーション / ソノケミストリ / カロリメトリ法 / 水熱合成法 |
研究概要 |
我々は、強力水中超音波計測技術の開発を目的として、強力水中超音波音場計測用デバイスの開発、強力水中パワー計測技術の開発及びキャビテーション発生量の定量計測技術の開発を検討している。以下に、研究成果を示す。 ・強力水中超音波音場計測用デバイスの開発 温度160℃、圧力0.6kPa、回転数250min^<-1>の合成条件で水熱PZT圧電膜の結晶成長率が改善された。水熱PZT圧電膜の表面をTi基板で覆った強力水中超音波用ハイドロホンを試作した。超音波洗浄機の水槽内の強力超音波音場中で耐久実験を行った結果、表面が電極の水熱ハイドロホンより、2時間以上長く、超音波信号を受信することができた。 ・強力水中超音波パワー計測技術の開発 再現性の向上を目的として、壁と底面に10mmの空気層を設けた新しいカロリメトリ用水槽を設計・試作した。この水槽を用いたカロリメトリ法による超音波パワー測定システムは、100Wまでの測定が可能である事を実証した。さらに、20Wまでの範囲で、天秤法による超音波パワー測定値と比較した結果、カロリメトリ法による測定値が天秤法による測定値より、系統的に大きいことを明らかにした。 ・キャビテーション発生量の定量計測技術の開発 キャビテーションの既存の評価方法であるソノケミカルルミネッセンスとKI溶液定量法を用いて、キャビテーションから発生する高周波数超音波信号(Broadband Integrated Voltage=BIV)の定性的な評価を行った。その結果、BIVは、キャビテーションの既存の評価方法と正の相関があることがわかった。また、水槽内の音圧とBIVの測定値を比較した結果、最大値の位置が一致しないことがわかった。23年度は、この原因について明確にしたい。
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