研究概要 |
本研究課題では,水中でも使用可能な空圧式アクチュエータを用いた水陸両用の歩行訓練システムの開発を目指している.現在,これまでに開発してきた空圧式人工筋をヒトと同様に配置(二関節筋モデルを採用)した歩行訓練装具プロトタイプのシステムをベースに,患者の麻痺している筋に合わせた補助(アシスト)ができるように検討を進めている.本研究課題着手前に開発を進めてきた歩行訓練システムの装具部は,一般的な長下肢装具をベースに製作されており,アルミ製のコネクト用穴のあるバー(150mm程度)を股関節,膝関節の上下にあるフレームに取り付けて,そこに人工筋肉を結合できるようにしてある.空圧式人工筋肉は,(株)日立メディコ社製エアマッスルを使用している.人工筋の端部をコネクト用穴に通し,折り曲げて,結束バンドによって簡易的にコネクト用穴に結びつけている機構であるため,時折結束バンドが外れてしまう事態になることがあった.また,モーメントアームを変更しようとしても,結束バンドを切って再度結束する必要があった.したがって,結合部分を頑丈にし,大きな負荷がかかっても外れない機構,さらにモーメントアームの変更など力学的パラメータ変更への対応のための着脱が容易な機構とする必要があった.課題が採択された平成21年度からは,それらの点を考慮し,装具部のフレーム材質,形状自体からの大幅なハード面の設計変更,仕様変更を進めてきた.平成22年度には,装具部と免荷支持部のプロトタイプが完成し,歩行訓練システムの動作実験を空振りおよび健常被検者の実装条件で実施した.
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