研究概要 |
健常者7名(男性4名,女性3名,年齢56.7±6.7歳身長160.1±11.7cm,体重54.9±9.5kg)および,ポリオ罹患者8名(男性4名,女性4名,年齢56.8±6.2歳身長159.6±11.0cm,体重53.9±9.1kg)に対して,従来型長下肢装具(COV;両側支柱,金属とプラスチックの大腿および下腿カフ,スイスロック膝継手,遊動足継手;重量1,650g),カーボン長下肢装具に600gの重りを付加したもの(CaW),カーボン長下肢装具(CaKAFO,カーボン製大腿および下腿カフ,スイスロック膝継手,遊動足継手,重量1,050g)と表記する,健常者では,3分間の歩行速度(m/min)はCOVとCaWがほぼ同程度であり,CaKAFOは有意に早かった.歩数(steps/3minutes)はCoVとCaWが同程度であり,CaKAFOは多かったが有意差はなかったはCOVとCaWが同程度で,CaKAFOが有意に広かった.酸素コスト(ml/min/kg/)はCOvとCaWがほぼ同程度であり,CaKAFOが有意に少なかった.ポリオ罹患者では,3分間の歩行速度(m/min)はCOVとCaWはほぼ同程度であり,CaKAFOはより早いが有意差はなかった.歩数(steps/3minutes)はCOVよりはCaW,CaWよりはCaKAFOが多かったがいずれも有意差はなかった.歩幅(m/step)はCOV,CaW,CaKAFOともほぼ同じ程度であった.酸素コスト(ml/min/kg/)はCOVよりもCaWとCaKAFOは有意に少なかった.即ち,健常者では重量が軽くなると歩行速度が増加し装具のデザインにより若干の歩行効率の改善が認められるが,ポリオ罹患者では重量が軽くなると歩行速度は増加するがカーボン装具特有のデザインにより歩行効率は改善していた.
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