研究課題
有症状の変形性膝関節症患者数は700万人に達するとされるが、現段階ではその保存療法の作用機序は「膝の安定化に有効」などと述べられるに留まり、詳細は不明である。一方で、歩行解析技術は近年大きく進歩し、3次元上の微細な動きが捉えられるようになった。これらの手法を用いて病態の早期変化および治療効果発現機序を探るものである。水平面での歩行解析に加え、疼痛の誘発につながる姿勢動揺の際の膝関節挙動を調べ、さらに治療介入による微細変化の検出を行う。【本年度の研究成果】今年度は、従来の歩行路上での動作解析の継続に加え、昨年度に導入した6軸モーションベースを用い、床面動揺に対する反応を調べることとした。従来から行っていた若年者の姿勢変化を対照グループとして、変形性膝関節症患者においても行うこととしたが、東日本大震災に伴う電力事情などで、実験は遅れた。計測内容には下肢筋力、関節トルク、関節可動域,更にKellgren-Lawence分類によるX線所見、Japanese Knee Osteoarthritis Measure(JKOM)による臨床症状、VASによる疼痛を用いた。これらの調査から疼痛の関与が強く示されたので、疼痛コントロールとして超音波刺激装置を導入して、アライメント変化に加え、鎮痛作用の消長による歩容変化も調べた。昨年度実施の、水平歩行での微細運動と生体力学的パラメータ、疼痛との関連について計測は論文報告を行った。これらの歩行時膝関節運動と下肢機能の相関を通じて、病態・予後との関連が進むと思われる。
すべて 2011 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)
The Sports Medicine, Arthroscopy, Rehabilitation, Therapy & Technology
巻: 3 ページ: 14
Journal of Sports Sciences
巻: 29 ページ: 1525-1534
Knee
巻: (e-pub)