研究課題
(1)発声障害者音声データベースの構築の継続 音声復帰システム実用化のためには個々の患者に特化したシステム作りが最終的には必要になるが、システムの基になるモデルの構築が必要である。今年度は広島大学病院に構音障害者をご紹介していただき、データベース新たに加えた。(2)障害者の体内伝導音連続音節認識システム構築の継続 実システム構築のため、よりシンプルな認識アルゴリズムの組み込みを検討した。認識基礎実験や話者や環境にシステムが適応する話者適応の実験などを行い、その有効性を確認した。(3)誤認識時の影響調査の継続 誤認識時の影響よりサブワード接続部のノイズの方が問題となり、それが不自然さの原因となっていた。そのノイズを軽減するため、サブワード長の検討や窓関数の導入などを試みた。その結果、ノイズの軽減はできたが、そのシステムによる誤認識の影響検討が期間内に間に合わなかったため、今後の課題となった。(4)実システム構築時における問題点 シンプルな認識アルゴリズムによりプログラムの軽量化を図ることができたが、タブレット端末やスマートフォンで単体に動くほどにはならなかった。このため、ホストパソコンとの通信を導入しシステム実現を行ったが、今度はその通信により、実時間性が損なわれることになった。しかし、問題点も抽出でき、対策点も明確化された。適応制御による音声強調も実時間性の影響により計算リソースを割くことができずこれも今後の課題とした。また、データベース参加者の要望により音声入力をしないボタンによる支援システムも開発した。それを障害者の方に貸与し実際に使っていただいている。その使用感をシステムに反映させるとともに、今回の課題で明らかになった問題点を対策し、体内伝導音を実時間処理する音声復帰装置を目指すこととした。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件)
ICIC Express Letters An International Journal of Research and Surveys
巻: Vol.6, No.4 ページ: 1013-1018